小倉優子、「真面目な人」と言われた夫との“離婚危機”報道に考える「結婚相手」に必要なもの
羨望、嫉妬、嫌悪、共感、慈愛――私たちの心のどこかを刺激する人気芸能人たち。ライター・仁科友里が、そんな有名人の発言にくすぐられる“女心の深層”を暴きます。
<今回の有名人>
「夫がこんなにも怒りっぽい人とは思わなかった」小倉優子
「サンケイスポーツ」3月11日号
2019年11月30日放送の『人生最高レストラン』(TBS系)のゲストがタレント・小倉優子だった。小倉は18年に歯科医の男性と再婚をしており、その経緯について話していた。
きっかけはママ友の紹介で「絶対に合う人がいる。すごい良い人で、絶対2人は合うから」という理由で紹介してもらったのだという。一緒に食事をした際の印象はよかったそうだが、親友であるタレントのギャル曽根が「(小倉の言葉は)信用できない」として、2回目の食事の際に、マネジャーとともに同席したそうだ。
ギャル曽根は「歯医者さんで今まで結婚したことがなく、40歳超えているとなったときに、『絶対遊んでる! 絶対ダメ!』って思って反対する気持ちだった」そうで、食事の際、小倉を部屋から出して質問攻めにしたという。「お金についても話しました。芸能界って良い時もあれば、悪いときもある。稼ぎがゼロになる可能性だってある。そのときに、あなたは養えますか? って。聞きたいこと全部聞いた」そうだ。その結果、「今まで見たことがないぐらい、真面目な人」という感想を抱き、ゆうこりんを託すことにしたと語っていた。
おそらく、こういう話を、特に若い女性は「友達のために、ひと肌脱ぐいい話」と思うのだろう。しかし、私には歯科医を紹介したママ友も、ギャル曽根も「気持ち悪い」と感じるのだ。
何を根拠に「良い人」「絶対、2人は合う」なんて言えるのだろうか。どうして「真面目な人」であれば、結婚生活がうまくいくと言えるのだろうか。ママ友とギャル曽根の行為が善意からきていることはわかっているが、結婚というのは、それなりに大きな人生の選択だし、ましてや小倉には前夫との子どもが2人いる。「相手の連れ子を愛せない」という話は男女関係なくよく聞く話だし、ごく一部の極端な例であるとは言え、夫が妻の連れ子を虐待する事件だって起きている。ママ友はそんなデリケートな状況に首を突っ込んで、「絶対合う」と言える自信がどこから来るのだろう。またギャル曽根のように、デートに友達がしゃしゃり出てくることで、小倉に対する男性の気持ちが萎えてしまわないとも限らない。
繰り返すが、ママ友もギャル曽根も「ゆうこりんのためを思って」の行動だということはわかっているつもりだ。しかし、善意というのは「いいことをしている」という大義名分がある分、歯止めが利かなくて厄介な部分もある。それに、私にとって「気持ち悪い」ことでも、ゆうこりんの結婚がうまくいけば、全方位的に「いい話」になるはず……だが、現実はそうでもなかったようだ。