コラム
“噂の女”神林広恵の女性週刊誌ぶった斬り!【第496回】

中居正広、絶妙なタイミングで終結した「ジャニーズ事務所退所劇」の見事な着地点

2020/02/25 21:00
神林広恵(ライター)
「女性自身」3月10日号(光文社)

下世話、醜聞、スキャンダル――。長く女性の“欲望”に応えてきた女性週刊誌を、伝説のスキャンダル雑誌「噂の真相」の元デスク神林広恵が、ぶった斬る!

 巨額脱税で活動休止をしていた「チュートリアル」徳井義実の復帰が発表され、2月24日から活動を再開した。約4カ月ぶり。一方、不倫芸能人たちは、もっともっと長い謹慎を強いられる(時には引退も!)。不思議な国、不思議な芸能界。

第496回(2/20〜2/25発売号より)
1位「中居正広 『退所を決断させたSMAPへの愛!』」(「女性自身」3月10日号)
同「中居正広 2人の“父”に誓ったKANSHAの義理立て」(「週刊女性」3月10日号)
2位「新型コロナウイルス肺炎『現在の検査基準で感染拡大は止められない!』『検査漏れ』感染者は国内100万人超に!」(「女性自身」3月10日号)
3位「槇原敬之容疑者 対面20分実父が明かす『留置所の肉声』『信じて…僕はやってないから』」(「女性自身」3月10日号)

 ついに、そして本当に退所した中居正広。SMAP解散から3年3カ月、“するのか”“しないのか”と芸能マスコミを巻き込みながらの推測劇は、ついに終わりを迎えた。しかも、この退所劇も中居らしく見事なものだった。

 記者を巻き込んでの会見はワイドショーでもおおむね好意的に取り上げられたが、「女性自身」「週刊女性」を見ると、この退所は絶妙なタイミング、戦略があったことがわかる。

 まずは「自身」。退所を見据えて新CMを拒んできたこと、かわいがってきた後輩・Kis-My-Ft2の事務所内における“今後”を考え距離を取ったこと、だが2月に入りキスマイメンバーたちに直接退所の意思を伝えていたこと、そして発表のタイミングとしては木村拓哉のソロツアーが終わったのを待ったこと、等々だが、その最たるはジャニーズ事務所との関係だろう。中居は新事務所「のんびりな会」を立ち上げたが、そこにはSMAP時代からのマネジャーがジャニーズ事務所から“出向”という形で参画しているという。

 さらに「週女」によれば、中居は事務所を独立するものの、ジャニーズとは“業務提携”を結んで仕事を請け負うという。つまり、今後も関係が続くということだ。そうなれば、地上波復帰を遂げつつある新しい地図とも、そしてキムタクとも中立な関係を築いていける可能性が広がる。SMAP再結成の可能性も残しておける。

 見事だ。円満退社ということをアピールし、業務提携もするのだから干される可能性は低い。昨年の公正取引委員会の“注意”もあった。切望していた新しい地図との共演の可能性も大きく広がる。SMAP解散以降、考えに考えた結果であり、タイミングだったのだろう。独立から2年の“縛り”という芸能界の掟も働かない可能性が高い。閉鎖的な芸能界を見事なセルフプロデュースぶりで突破した。やってくれた! そして今後の中居の活動を見守りたい。またぞろ芸能界の掟、大手事務所の介入、テレビ局の忖度など変な横槍が入らないように。

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