ジャスティン・ティンバーレイク、「まだトラウマ」と告白――フェスのステージに投げ込まれた“あり得ないもの”
そして、「そうしてるうちに、『嫌がらせをしても、こいつはパフォーマンスし続けるぞ』と諦めたのか、それともおしっこを出し切っちゃったのか、尿ボトルが飛んでこなくなったんだ」とうれしそうに語り、カメラを指して、「子どもたちよ! 粘り強くあれ!」と冗談交じりに、この特殊な状況から得た教訓を伝えていた。
カナダはイギリスの連邦加盟国であり、そのイギリスでは「ロック系フェスで尿ボトルをステージに投げつける」のは決して珍しいことではない。
毎年8月に開催される野外ロック・フェス『レディング・フェスティバル』では、ステージに尿ボトルを投げつけるのは伝統的な行為になっていると、英「BBC」ウェブ版が特集。
06年に、同フェスでパフォーマンス中、観客席から投げられた尿ボトルが頭に命中して約30秒間気絶したバンド「パニック! アット・ザ・ディスコ」のボーカル、ブレンドン・ユーリーの、「イギリスでの初のフェスだったんだけど、あれは洗礼だったね。(イギリスのフェスでは)これほどまでにみんなの頭がイカれちまうのか! って、感謝の気持ちでいっぱいになったよ。アメリカでは、あんまりないことだから」という皮肉の利いたコメントを紹介。
取材に応じたフェスの常連だという観客の「ステージまで届かないことも多々ある」「観客席の中に落ちることもある」「自分もよくやってるけど、別にいいじゃん。ちょっとおしっこかけられるだけなんだよ。無害でしょ」といったコメントも紹介している。
このように、フェスでは尿ボトルを投げることが当然と思っている観客が多いようだが、ジャスティンが「まだトラウマになってるんだけど」と言っていたように、ポップ系のアーティストには、この上なくショックな体験のよう。12年にイギリスの人気ロック・フェス『V フェスティバル』でパフォーマンス中に尿ボトルをぶつけられたシェール・ロイドは精神的に参ってしまい、予定より早くパフォーマンスを終了した。
尿ボトルについては「気に入らないアーティストのパフォーマンス中に投げつける」のが決まりのようで、15年のイギリス最大の野外ロック・フェス『グラストンベリー・フェスティバル』で、カニエ・ウエストがヘッドライナーを務めることが発表された後、「ロック・フェスなのにラッパーかよ!」と激怒した人たちがTwitterで「温かい尿ボトルを命中させようぜ!」と盛り上がったこともあった。
ちなみに、英語でおしっこという意味がある「piss」に「off」を付けると、「(~を)怒らせる」という意味になる。尿ボトルは英語で「piss bottle」であり、「オレ(私)の怒りが詰まったペットボトル」なんだというのが、投げつける側の言い分のよう。
ジャスティンの今回の告白に関して、ネット上では「尿入りボトルをたくさん投げられてもひるまなかったのは偉い」「あの頃、ナヨナヨした外見で嫌いだったけど、ガッツがあったんだと見直した」と彼を称賛する声が上がっており、「観客がボトルにおしっこをしている姿を想像すると笑える」と盛り上がっている。