ナタリー・ポートマン、#MeToo立役者からの「フェイク」批判に声明! 「常識ある」と声援高まる
2018年のゴールデン・グローブ賞授賞式で最優秀監督賞のプレゼンターを務めた際、ノミネートされた女性監督が1人もいなかったことに対し、「候補者の“男性”は、こちらの方々です」とムッとした表情で言い放って批判した女優のナタリー・ポートマン。彼女は16年に公開された映画『ア・テイル・オブ・ラヴ・アンド・ダークネス』で監督デビューも果たしているため、「女性監督がハリウッドで認められにくい厳しい現実や、見下されていることを実感しているからこその抗議発言だろう」と大きな話題になったものだった。
そんなナタリーが、今年のアカデミー賞の監督賞に女性が1人もノミネートされたなかったことを受け、現地時間9日に開催された同賞の授賞式に、『ハスラーズ』のローリーン・スカファリア、『フェアウェル』のルル・ワンら、8人の女性監督の名字を刺繍した黒のケープを羽織り登場。米紙「ロサンゼルス・タイムズ」のインタビューに対して、「昨年製作した映画の功績を認められなかった女性監督たちを認識してもらいたいくて。私なりに、さりげなくね」と説明し、いつまでたってもハリウッドで女性監督が評価してもらえない実情を訴えた。
このナタリーの「さりげない抗議」は、多くの人から「勇気ある行動」「勇敢な女性」と称賛されたのだが、これに「#MeToo」ムーブメントの立役者の一人である女優のローズ・マッゴーワンが「フェイクだ」と反発し、Facebookの自身のアカウントに、批判声明を投稿した。
「ナタリー・ポートマンと彼女のオスカーでの“抗議活動”について言わせて。主要メディアから勇敢だと絶賛されているような“抗議活動”についてね」「勇敢、勇気ある行為ですって? まったくそんなものじゃないわ。女優が、“私はこういうことを気にかけています”って演じている、懸念しているふりをしているだけなのよ。多くの人がそういうことをしてるわけだけど」「私たちのように、本気で女性の権利のために実際に活動している者たちにとっては、彼女のような行動はこの上なく不快に感じるの」「別に皮肉っているわけじゃないのよ。嫌悪感からこの文章を書いているだけ」「彼女には、言葉通りに行動してもらいたいだけなの」と痛烈に批判したのだ。
17年10月にハリウッドのドンと呼ばれていた映画プロデューサー、ハーヴェイ・ワインスタインの性的暴行を告発し、彼女のセクハラ撲滅運動を追うドキュメンタリー『Citizen Rose』が製作されるなど、「#MeToo」ムーブメントの第一線にいるローズ。彼女はナタリーに対し、「長いキャリアの中で、あなたが出演した女性監督の作品は2作だけ。うち1人はあなた自身で、自分で立ち上げた製作会社を通して、あなた自身を監督として雇ったのよね」と、女性監督の不遇についてなにがわかると言いたげ。