サイゾーウーマンカルチャーインタビューフランスのフェミニズム事情 カルチャー 【後編】『私のおっぱい戦争』リリ・ソン氏インタビュー 抗議団体はトップレス集団以外も! フランスのフェミ事情を『私のおっぱい戦争』リリ・ソン氏に聞く 2020/02/06 21:00 相川千尋(フランス語翻訳者) インタビュー SNSとフェミニスト 『私のおっぱい戦争――29歳フランス女子の乳がん日記』(花伝社) ──少し前、フランスでは、有名ジャーナリストを含む男性ジャーナリストグループが、同業者の若手女性に対して、インターネット上でハラスメントを行っていたことが暴露され、スキャンダルになりました。今でも、女性や特にフェミニストがSNSで標的にされて攻撃を受けることはあるのでしょうか。 リリ はい、あります。特に、Twitterはひどいですね。Twitterは最も暴力的なSNSだと思います。というのも、多くのフェミニストが、「家へ押しかけて行ってレイプするぞ」だとか「殺すぞ」といった脅迫を受けているんですよ。しかも、彼女たちの家族に対しても脅迫が行われていて、加害者は明らかにやりすぎです。しかし不幸なことにインターネット上でのハラスメントに関しては、司法は大きく遅れを取っています。いくつかの法律が採択されましたが、施行されたものはまだとても少ないのが現状です。 ただ、喜ばしいことに、現実世界では「シスター・フッド」の精神がどんどん強くなってきているのも事実。フェミニストたちはお互いを守り、勇気を出して一緒に抵抗しています。女性に対する性的暴行に反対するデモや、そうした問題に関する議論もどんどん大きくなってきているので、私も闘いながら解決策を見つけていきたいです。 リリ・ソン(Lili SOHN) 1984年8月29日ストラスブール生まれのフランスのコミック作家。本名オーレリー・ソン。ストラスブール第二大学で応用美術とヴィジュアル・アートを学ぶ。乳がん発覚をきっかけに、自らの日常と病気についてユーモアを交えて語るオールカラーの漫画ブログを開設。のちに、ミシェル・ラフォン社からコミックとして出版された。2015年、治療終了にともないフランスに帰国。現在はマルセイユに住み、コミックとイラストの制作を行っている。 プレゼント企画 『私のおっぱい戦争──29歳フランス女子の乳がん日記』は花伝社より発売中。 サイゾー・ウーマンの読者2名様に本書を抽選でプレゼントします。 応募締切:2020年3月5日(木)正午まで 応募は締め切りました。当選者の発表は発送をもってかえさせていただきます。あらかじめご了承ください。 前のページ123 相川千尋(フランス語翻訳者) 1982年生まれ。仏和辞典編集を経てフランス語翻訳者に。訳書にリーヴ・ストロームクヴィスト『禁断の果実- 女性の身体と性のタブー』(2018年、花伝社)。共訳にジュリア・カジェ『なぜネット社会ほど権力の暴走を招くのか』(2015年、徳間書店)。 X:@Chichisoze 最終更新:2020/03/05 19:24 楽天 私のおっぱい戦争 家父長制は日本でも大きな課題 関連記事 【2019年映画レビュー】フェミニスト視点で「オススメ」「イマイチ」作品は? 北村紗衣氏に聞く「フェミニストって、なに?」座談会【後編】日常で“違和感”“疑問”を感じたら変わるとき「フェミニストって、なに?」座談会【前編】ネットでヒステリックで怖いと言われるのはなぜ?男もファッションも大好きなフェミニストが、「男らしさ」に苦しむ男性も救う?トップレス写真で大炎上中のエマ・ワトソンが「フェミニズムは、ほかの女性を叩くために団結することじゃない」 次の記事 河野景子「モテ至上主義者」の厄介さ >