コラム
“中学受験”に見る親と子の姿
中学受験でミラクル合格! 月額20万円“課金”で偏差値アップ、「勝ち組親子」が入学後に見た地獄
2020/02/09 16:00
“親子の受験”といわれる中学受験。思春期に差し掛かった子どもと親が二人三脚で挑む受験は、さまざまなすったもんだもあり、一筋縄ではいかないらしい。中学受験から見えてくる親子関係を、『偏差値30からの中学受験シリーズ』(学研)などの著書で知られ、長年中学受験を取材し続けてきた鳥居りんこ氏がつづる。
今年の中学受験もほぼ終了。今年は首都圏で6万人が入試を突破したという。その中には万々歳の結果に大満足している親子も多くいるだろう。
それはそれで、大変めでたいことなのであるが、意外とこの「めでたさ」は長くは続かないということも、今後、中学受験を考えるご家庭は考慮に入れておいた方が良い。
なぜならば「勉強するために学校はある」からである。「中学受験で勉強は上がり!」という気持ちで入学すると、その後、親子ともどもつらくなってしまう現実があるからだ。それが実力不相応校である場合はなおのこと。今はまだ「めでたさ」に浸る時期ではあるが、今回はあえて苦言を呈したい。
ご承知のように、受験界には偏差値というものがあり、中学受験も例外ではない。つまり、上位校・中堅校・下位校という序列が明確にある世界。これはあくまで“難易度”という尺度で見た数字であるのだが、この数字の高さを「幸せのパスポート」と信じて疑わない家庭がある。
塾でも成績別でクラスを編成していくため「数字が全て」という思考に陥りやすく、すると、上位校が勝ち組で、その他は負け組という認識になってしまうの。一度、こういう思考にはまると、その先には底なし沼が待っていることもあるので注意が必要だ。