芸能
『ザ・ノンフィクション』レビュー
『ザ・ノンフィクション』不良少女を怒り、叱るという意味『モモコと熱血和尚 おじさん、ありがとう』
2020/02/03 18:35
1,000人以上の子どもを更生させた廣中家では、20年にわたり、常に家には大勢の子どもたちがいた。その環境についてどう思うのか、番組スタッフが廣中さんの妻・待子さんに聞いたところ、「一人になりたいこともあるよ。だけどお父さんと二人だけだったらこの家は寂しいと思うし」「良くもあり悪くもありだ」 と笑っていた。
待子は廣中さんが闘病中、毎日病院を訪れていた。廣中さんは最晩年、足元もおぼつかなくなってきたが、大勢が集まる説法の場で、「ありがとうって言える、今日はちょうどいい機会なんですよ」 とゆったりとした口調で待子さんに感謝を告げる。待子さんは、番組スタッフに「いずれ人間は亡くなるんだろうけどでも、お父さんは何もなくても何もできなくてもいいから、じっとそこに居(お)って欲しい」 と廣中さんへの思いを話していて、廣中夫妻のお互いへの強く深い愛情を感じた。待子さんあっての廣中さんの超人的な活動だったのだと思う。
廣中夫妻が問題を抱えた子どもたちや、そしてお互いに対しここまで愛情豊かになれたのは、もともとの性格や仏教の教えもあるのかもしれないが、「人と関わることから逃げない」生活で育まれたものもあるのかもしれない。愛の反対は「無関心」だとマザーテレサも言っている。
次週のザ・ノンフィクションは『はぐれ者で生きていく ~借金とギャンブルと夢の行方~』。プロの落語家だが、寄席や大ホールの高座に上がることはできず、飲食店やスナックで落語会を開く「落語界の“はぐれ者”」に憧れた、もう一人の「はぐれ者」の話。
最終更新:2020/02/03 18:35