コラム
仁科友里「女のための有名人深読み週報」

みちょぱが唐田えりかを「怖い」と批判……「清楚系」と「ギャル系」を分断する世間に思うこと

2020/01/30 21:00
仁科友里(ライター)

 ギャルタレントが性的に奔放で、清楚系の女性芸能人は貞淑だと思っている人は、特に男性に多いかもしれないが、それはまったくの思い込みというやつだろう。

 日本が誇る清楚系女優と言えば、吉永小百合。恋愛や結婚などしてイメージダウンをされては困ると、元日活の常務が小百合に「二十一歳までは結婚するな。男を知ってもいかん」と恋愛禁止令を出したと「アサ芸プラス」の記事に書かれていた。しかし、作家で小百合の友人である中平まみ氏によると、実際は恋愛をしていて、運転手が席を外した状態で、某俳優と車の中で二人きりになったこともあり、また中平氏に「二十いくつにもなって処女のはずがないでしょ」と語っていたという。また、下ネタもイケる口で、女優・富士真奈美や吉行和子らとの句会で、バレ句(エロチックな内容の川柳)を詠むことになった際は、「松茸は舐めてくわえてまたしゃぶり」と披露して、周囲を驚かせたそうだ。

 「小百合が清楚系というのはウソだ!」と言いたいわけではなく、女性が仕事をしていれば、近くにいる人を好きになることもあるだろうし、場合によってはセックスもするだろう。下ネタを言うこともおかしくはない。ポイントは、そういう自分をどこで見せるかという判断だけである。昨年12月13日放送の『ダウンタウンなう』(フジテレビ系)に出演したゆきぽよは、清楚系の代名詞でもある女子アナの久代萌美を指して、「こういう外見の子が、めちゃめちゃ遊んでるってホントっすよ」「(自分のような)こういうリアルギャルよりも、隠れてる奴の方が遊んでますから」と述べていたが、清楚系とかギャル系というのは単なるファッションの違いでしかなく、性的な奔放さは見た目では判断できないはずだ。みちょぱの言う「ギャルが礼儀正しくなる理由」についても同様だ。縦社会で同じ “教育”を受けたとて、全員が礼儀正しくなるわけではないだろうから、「ギャル」というのは関係なく、その「本人」が、できる素質を持っているという話ではないか。

 もしかしたら、みちょぱらギャルタレントは、見た目がギャルであることで、理不尽な決めつけにさらされたのかもしれない。しかし、ギャルということで低く見られがちだからこそ、イメージをより良くすることもできる。マジ頑張ってほしい。

仁科友里(ライター)

1974年生まれ、フリーライター。2006年、自身のOL体験を元にしたエッセイ『もさ子の女たるもの』(宙出版)でデビュー。現在は、芸能人にまつわるコラムを週刊誌などで執筆中。気になるタレントは小島慶子。著書に『間違いだらけの婚活にサヨナラ!』(主婦と生活社)、『確実にモテる 世界一シンプルなホメる技術』(アスペクト)。

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最終更新:2020/01/30 21:00
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