コラム
仁科友里の「女のための有名人深読み週報」

AKB48・峯岸みなみ、「呼べば来る女」「当日の女」の貶めに違和感――彼女が本当に注意すべきこと

2020/01/16 21:00
仁科友里(ライター)

 軽い女呼ばわりされて、峯岸は気の毒としか言いようがないが、その峯岸が昨年12月、20年4月でのAKB48卒業を発表した。今年は勝負の年になるだけに、峯岸は1月13日放送の『有田哲平と高嶋ちさ子の人生イロイロ超会議』(TBS系)に出演し、スキャンダルが続き、世間のイメージが悪いことをどう挽回したらいいのか、相談にやって来た。

 同番組出演者の杉村太蔵氏は「本当にイメージが悪い」「(峯岸に誘われて飲みに行ったら)絶対、反社(会的勢力)がいるイメージ」とし、「誘われるとき、絶対当日でしょ?」と逆に峯岸に質問した。「そうですね」と認めた峯岸に対し、「当日の女なんだよ」「当日の女からの脱却を提案したい」と畳みかけた。

 当日に誘われて飲みに行く“当日の女”が、なぜ脱却すべきネガティブな存在なのか。若い読者の方にはピンと来ない可能性があるので説明しよう。現在では、SNSがあれば、仕事中であっても連絡が取り合えるので、2人のタイミングが合いさえすれば、すぐに待ち合わせることはできるだろう。しかし、太蔵氏や私のようにSNSのない時代に20代を過ごした人間は「会いたければ、きちんとあらかじめ約束をする」しか方法がなく、翻って「あらかじめ約束することが、本気の証拠」と考える人もいるのだ。この理論で考えると、“当日の女”というのは、遊びの存在であることを意味するので、「当日の女なんだよ」発言は、「遊びの女なんだよ」という意味である。だからこそ「当日の女からの脱却を提案したい」と太蔵氏は言ったのではないだろうか。少なくとも「新潮」の“呼べば来る女”という記述や“当日の女”という表現が、峯岸を褒めていないことだけは確かである。

 峯岸は、反社とのつながりがまったくないことを主張した上で、「人が集まる場所に行っちゃったりするのは、脇が甘い」と自らの行為を反省し、禁酒を宣言した。しかし、私に言わせるのなら、飲酒や人の集まる場所に行くことが罪なのではない。自分を下に見る人のところに、のこのこ出かけて行くと、トラブルに巻き込まれる率が高くなるということではないだろうか。

 AKB48を卒業すると、誰もがそれなりに苦労を経験するだろう。しなくていい苦労を背負い込まないように、峯岸もオトコには気を付けて頑張ってほしい。

仁科友里(ライター)

1974年生まれ、フリーライター。2006年、自身のOL体験を元にしたエッセイ『もさ子の女たるもの』(宙出版)でデビュー。現在は、芸能人にまつわるコラムを週刊誌などで執筆中。気になるタレントは小島慶子。著書に『間違いだらけの婚活にサヨナラ!』(主婦と生活社)、『確実にモテる 世界一シンプルなホメる技術』(アスペクト)。

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最終更新:2020/01/16 21:00
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