2019年のK-POPシーンを振り返る――日本語楽曲のクオリティが急上昇、EDMはジャンル定着
韓国語楽曲のリリースより真面目に追ってないこともあり、今回あらためて日本語楽曲を挙げてみたことで、はっきりと2018年とは状況が違うなと感じました。
まずは日本オリジナル曲の作りが韓国語曲に近付いてきていること です。個人的な好みではありますが、 日本でリリースされる楽曲は韓国語楽曲を越えられることはないから別に聞かなくてもいいだろう、という位置付けでした。そうした固定概念を覆されたのが19年だったように思います。 ジャニーズやLDH関係でもK-Pop(韓国語楽曲) と同じ作曲家が起用されていますが、作曲家が同じにもかかわらずJ-PopとK- Popでは楽曲の構造やトラックの高中低音の配分、 ボーカルの押し出し方など、さまざまなところで違いが感じられます。それはプロデューサー(発注側) の考え方の差だと思っていたので、 その人たちの考え方が変わったのか、何があったのか。 外から見ているだけだとわからず、気になるところです。
リリース順にいくつか挙げましたが、個人的には今までGOT7の日本語曲に期待したことは一度もなく、聞いては後悔を繰り返していたので、今回このような楽曲がリリースされたことに驚いているし素直にうれしいです。あとはやはりTwiceが「Fake & True」の一つ前の「Breakthrough」がリリースされたときから、おや……? 様子が違うぞ? と思っていたら、その後韓国でも日本でも良い楽曲しかリリースされず、こちらもビックリしました。
以前に比べて、日本オリジナル曲をリリースするグループが増えたとも感じています。デビューの仕方も、既存韓国語曲の日本語バージョンもしくは日本語オリジナル曲をリリースするという2パターンから、The Boyzのように全く新しい韓国語楽曲で日本デビューするという今までないパターンも出てきました。THE BOYZのEPは6曲中5曲が韓国語で、日本語曲は1曲しかありません。ATEEZは既存韓国語曲の日本語バージョン2曲のうち1つをタイトル曲とし、それ以外は既存韓国語曲をRemixした9曲を収録したアルバムをリリースしました。そして同時に、『TREASURE EP.EXTRA : SHIFT THE MAP (Remixx!) 』として日本語バージョン2曲を除いたものを韓国でリリースするという、今までにない展開です。
K-Popアイドルが日本語曲を出すことに対しては昔からさまざまな議論があり、どうしても楽曲のクオリティが下がってしまうように感じることから、私は別にいらないと思っていましたが、以前Zion.Tがインタビューで「日本で活動するときは、韓国とは区別して、日本人のように歌いたいなと思っている」と答えている文章を見て、そこに本人の意思があり制作の時間なども十分に取れるなら意味があるのかなと思いました(全ての楽曲の作詞作曲を自分たちでやっているStray kidsの日本デビューがずっと心配です)。
■Red Velvet – SAPPY 2019.01.05
■EXID(이엑스아이디) – トラブル (TROUBLE) 2019.01.23
■NCT 127 – Wakey-Wakey 2019.03.18
■SEVENTEEN – Happy Ending 2019.05.17
■GOT7 – #SUMMERVIBES 2019.07.31
■PENTAGON – HAPPINESS 2019.08.13
■MONSTA X – Carry on 2019.08.21
■TWICE – Fake & True 2019.10.17
■THE BOYZ(더보이즈) – TATTOO 2019.11.06
■ATEEZ – TREASURE EP.EXTRA : SHIFT THE MAP 2019.12.04