コラム
女のための有名人深読み週報

小島慶子、夫への言動は“モラハラっぽい”!? 「私のお金」発言に感じた“彼女の本音”

2019/12/26 21:15
仁科友里(ライター)

 『直撃!シンソウ坂上』(フジテレビ系)が、小島のオーストラリア生活に密着したことがあった。その際、小島の長男が「『行ってみたらどうかな』という提案の時点で、ママがものすごく気合が入っているのがわかったから、多分行くんだろうなと思った」と、移住が小島主導であると明かしていた。お子さんたちは、オーストラリアの生活に適応できて学生生活を楽しんでいるようだが、小島の夫は、そうでもないらしい。オーストラリアにやって来た当初、英語が苦手なので、学校の先生からのメールの意味がわからず、面談をしても先生の言っていることがわからない。毎日不安で「今でもずっと落ち込んでいる」とも話していた。それに対し、小島は自分一人で家族を養わなくてはいけないプレッシャーと孤独を感じていたとし、「『何で仕事辞めたの!?』とか、『本当にあなたが仕事を辞めたから、怖くてしょうがないんだけど』とか言っちゃったんだよね」と語っていたのだ。

 公務員や国家資格保持者のように食いっぱぐれのない職業ならともかく、女性一人で家族を養っていくのは、ものすごいプレッシャーだろうと想像がつく。しかし、その一方で素朴な疑問がわく。夫に働いてほしいのなら、オーストラリアに行かない方がよかったのではないか? 確率で考えるのなら、日本にいた方が仕事は見つけやすいと思うのだ。

 さらに言うと、小島家のオーストラリア生活の要は、夫が専業主夫で子どもの面倒を見ることではないだろうか。海外だと学校の仕組みも違うし、言葉も生活習慣も異なる国にやって来た子どもの精神的なケアも欠かせない。信頼している人が子どもを見てくれているという安心感があればこそ、小島も日本で仕事ができるのではないだろうか。夫が日本で再就職する可能性を摘んで、オーストラリアにやって来たわけだから、夫を責めるのはお門違いではないかと感じる。

 「OTEKOMACHI」のインタビューで、小島は夫に「数年後、実際に離婚することになったら、今のように私のお金はあてにできなくなるから、自立の手段を考えておいてください」と言ったと話していたが、民法的にはアリでも、「私のお金」という言い方もどうだろうと思ってしまう。男女を逆にして考えてみると顕著になるが、男性が専業主婦の女性に対して、給料を「オレのカネ」と言ったら、モラハラっぽくないだろうか。小島はウェブサイト「日経DUAL」のエッセイで「地位や収入に関係なく『平等』があるって知らないなら、それって暴力じゃないか?」と書いているそばから、収入はない(ただし、家事や育児を担っている)夫を下に見て、平等に扱っていないように感じられる発言をしているのである。

 離婚に備えて、夫に自活の道を探せと言うのは、「準備期間は長いに越したことがないのだから、親切心によるものだ」と思う人もいるかもしれない。しかし、異国の地で英語が得意でもない、そう若いとも言えない人が仕事を探すのは相当な苦労が予想される。かといって、子どもがいるから日本に帰って、職探しもできない。そうなると夫は、「離婚されないため」に、小島の顔色を窺って過ごすしかなくなるのではないか。考えれば考えるほど、小島の行為はモラハラっぽく感じられる。男女平等実現のために、女性の人権が軽視されている現状を訴えてきた小島だが、夫へのこの仕打ちから考えると、女性の人権を考えているというより、自分が被害者意識を持ちやすく、自分を傷つけた人には復讐しなければ気が済まない人に見えて仕方ない。

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