TOKIO・松岡昌宏、「視聴者の気持ちは全部汲めない」と断言――テレビに対する“こだわり”を熱弁!
TOKIO・松岡昌宏がパーソナリティを務めるラジオ『TOKIO WALKER』(NACK5)。12月22日の放送では、松岡が現在のテレビ業界について熱く語る場面があった。
リスナーから「今年、松岡の演じる役柄は女の人や死人と幅広かった。振り返ってみてどうだったか?」という趣旨の質問が届き、松岡は「面白いですよ。ありふれたものをやりたくないので」とキッパリ答える。
確かに2019年の松岡は、第3シリーズに突入した人気作『家政夫のミタゾノ』(テレビ朝日系)で女装姿を見せ、『死役所』(テレビ東京系)では死後の世界で働く主人公を熱演。さらには、スペシャルドラマ『必殺仕事人2019』(テレビ朝日系)では時代劇にも登場している。
いろいろなジャンルから出演オファーが来ることについて、松岡は「役者と言わせてもらえるんであれば、そういった人間にはうれしいことなんで。本当によくわかんない偽善の役から、本当に優しい人から、心に血が通ってないような人の役までやりたいなと思いますし、そこを演じる喜びみたいなものは常にある」と感謝しているそう。
どんな役が回ってきてもいいよう、常に“人間観察”を行っているという松岡は、「例えば新幹線とか乗ってる時に、横に座った人……この人を演じたらどうなるんだろう? というのを勝手に想像してるんです」とのこと。たまたま居合わせた人の仕事や家庭、どういう状況で新幹線に乗っているのかを想像して物語を作り、松岡自身がその“役”をどう演じるか考えるのだとか。「頭の中でのシミュレーションといいますか。そんなことはね、遊びでよくやるんですよね」と、日常の風景も役作りに生かされているようだ。
また松岡は、「常日頃思うんですけど。ドラマとか、バラエティもそうなんでしょうけど、見ていただく視聴者の方の気持ちを全部汲んでたら、番組はできないんですよ。たぶん成り立たないんですね」という。番組に対し、視聴者から「苦手」「嫌い」といった反応が出るのは当然だとしつつ、「僕なんか、特にテレビ出身の人間ですから。いつまでもテレビは面白いものじゃないといけないっていう、ゆるぎない、自分の中でのこだわりみたいなものがあるんです」とのこと。
すでにヒットした系統や作風を追うだけの番組作りには否定的なようで、「これはあくまで僕の意見ですよ、僕は何かちょっと違う気がする」とズバリ。視聴者に違和感を抱かれたとしても、誰もやっていないことに挑戦したほうがいいとし、「その違和感が『ああ、なるほどね』って理解された時は、これは新しいものを生んだっていうことの証拠になるわけですよね」と持論を展開。そして、12月21日に最終回を迎えた『おっさんずラブ‐in the sky‐』(テレビ朝日系)を例に挙げ、「ああいうふうに、どんどんどんどん新しいものをやっていくっていう形で、テレビはいてもらいたい」と力説していた。
松岡が“役者”という仕事や、テレビの未来と本気で向き合っているのが伝わった、今回の放送。「ありふれたものをやりたくない」というのは、深夜ドラマかつ女装の主人公が登場する『家政夫のミタゾノ』を大ヒットさせた松岡だからこそ、説得力のある一言だろう。