コラム
「元極妻」芳子姐さんのつぶやき68 

元極妻が考える「反社会的勢力」の定義――ワルモノがいないと、警察の予算がつかない?

2019/12/15 17:00
待田芳子(作家)

 では、なぜ定義の定まらない「反社会的勢力」という言葉ができたのでしょうか。私は、予算の都合だと思います。ワルモノがいないと、警察の予算がつかないんですよ。

 1954年をピークに殺人事件は減り続けていて、最近は年間で1000件を切っています。さらに少子高齢化や不景気で、暴力団員も減り続けています。これらは政府にとっていいことのはずなのに、ムリに「暴力団」の周辺にいそうな人たちをひとくくりにしている印象です。危機感をあおって予算を確保したいのでしょう。

 それにしても、「社会情勢で変化する」とはいえ、定義が定まってないっていうのもおかしいですよね。大枠は決めておかないと、企業だって困りますよね。それに、「個別に判断する」となったら、どこが判断するのでしょうか? 裁判所ですかね。けっこう案件が多いでしょうし、現実的ではない気がします。

 まあ裁判所もヤクザには冷たいので、今後もどんどん「反社認定」していくのでしょう。今までも「悪者」の烙印はさんざん押されてきましたから、驚きはしませんけれど。その最たるものが、「冤罪」ということになります。ヤクザ以外の皆さまも、他人事ではないですよ。

待田芳子(作家)

今は亡き某指定組織の三次団体幹部の妻。夫とは死別。本名・出身地もろもろ非公開。自他共に認める癒やし系。著書に『極姐2.0 旦那の真珠は痛いだけ』(徳間書店)がある。

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最終更新:2019/12/15 17:00
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