元女囚が考える薬物依存治療――ダルクはもっと「経験者」の知恵を生かしてほしいです
実は、私も本を出させていただいたせいか、ダルクともご縁があり、時々お話もさせていただいています。それで知ったのですが、ダルクのスタッフの方は全員が「元薬物依存症」というわけではないんですね。まあたしかに「全員が元ポン中」というわけにもいかないですかね(苦笑)。いろんな方がスタッフとして関わっていらっしゃるんですよ。
もちろん薬物依存になんかならないほうがいいに決まってますが、薬物依存のホンマの苦しさとかは、経験のない方にはわかりません。もっと「当事者」をたくさん入れて、意見を反映されたらどうですかね。たとえば私とかね(笑)。いつでも相談に乗りますよ。
ダルクは有名なんですから、知名度を生かして、いろいろできることはあると思います。あと、「薬物依存症」は、れっきとした病気です。田代さんもホンマ病気なんやなと思いました。治すには努力や根性だけではムリで、ちゃんと治療を受けることが大事です。
あとは、居場所や生きがいですね。私は守りたいものがたくさんあるので、なんとか立ち直れました。でも、田代さんみたいになってしまうと、家族や仕事があってもクスリをやめられません。ガチの「病気」やから。
とはいえ、病気を治すためのお医者さんが少ないのも問題やそうです。お医者さんもエリートやから「ポン中の治療」なんかしたくないんですね。気持ちはわかりますが、専門医の養成とか、ぜひ国家プロジェクトでお願いします。私もお手伝いしたいです。
中野瑠美(なかの・るみ)
1972年大阪・堺市生まれ。特技は料理。趣味はジェットスキーとゴルフ。『ダウンタウンなう』(フジテレビ系)や『新・情報7daysニュースキャスター』(TBS系)などへの出演でも注目を集める。経営するラウンジ「祭(まつり)」
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