急死のラッパー、ジュース・ワールドの死因が怪しい!? 「証拠隠滅」で薬物一気のみ疑惑
スティングの「Shape Of My Heart」をサンプリングした「Lucid Dreams」で、一躍その名を知られるようになった若手ラッパーのジュース・ワールド。12月8日早朝、彼がシカゴ・ミッドウェー国際空港でけいれん発作を起こし、救急搬送先の病院で亡くなった。まだ21歳だった。
米ニュースサイト「TMZ」は速報で、「空港内を歩いている時に突然けいれんを起こして倒れ、救急隊員が駆けつけた時には口から血を流していた。病院に搬送される間は意識があったが、その後、病院で死亡が確認された」と伝えた。同じく米ニュースサイトの「Hollywoodlife.com」は、医師の「脳腫瘍や脳卒中、薬物が引き金となり、年齢関係なくけいれん発作は起きるもの」「発作中に舌を噛んで大量出血したり、吐瀉物が気管に入って窒息死したりすることもある」という医師のコメントを紹介。ネット上では「脳卒中か」「心臓発作かも」とさまざまな臆測が流れ、ドレイクやリル・ナズX、カミラ・カベロらセレブたちも、早すぎるジュースの死を悼んだ。
が、ここにきて、彼の死因は薬物の過剰摂取(オーバードーズ、OD)ではないかとの見方が急浮上してきた。
9日に「TMZ」が報じた内容によると、ジュースの取り巻きが銃を機内に持ち込み、米航空法違反の悪行を知ったプライベートジェットのパイロットが、着陸前に地上に通報。飛行機の到着直後、待ち構えていたFBI(連邦捜査局)とFAA(連邦航空局)の立ち入り検査が行われた。その際、ジュースがパーコセットという依存性の高いオピオイド系鎮痛薬を何錠ものみ込んでいる姿が目撃されたという。
ジュースの検視は9日に行われたが、死因の特定には追加検査を行う必要があるとのこと。発表されるまでにはまだ時間がかかりそうだが、ネット上ではすでに「またODか……」と肩を落とす人が多い。
ちなみに、立ち入り検査の結果、スーツケースの中から30kgを超えるマリファナが発見され、拳銃を所持していたジュースの取り巻き2人が逮捕された。
彼は昨年10月、フューチャーとのコラボアルバム『Wrld on Drugs』を発売。収録された16曲すべてが薬物をテーマにしたもので、「ドラッグ大好きなヤク中の曲」「このアルバムを聴いて、ドラッグに手を出す若者がどれだけいるのかを考えただけでぞっとする」などと物議を醸した。
一昔前は「人生のつらいことから逃れるためにドラッグへ走る」「生活のために薬物を売買する」といった傾向がみられたが、最近は「最高な気分になれるから」と“ドラッグ万歳”な若手ラッパーが急増している。ジュースだけでなく、まだ10代の人気若手ラッパーのリル・パンプもドラッグを賛美しており、このままだと「薬物=いいもの」と誤解する若者が増えるのでは、と警鐘を鳴らすメディアや一部のアーティストも出てきた。
パーコーセットは、故プリンスの死因のひとつと疑われた強い鎮痛薬で、医師の処方箋がないと手に入らない薬。そんな薬を一度に何錠も飲んだのなら、ジュースは薬物を相当甘く見ていたといえるだろう。
オール・ダーティー・バスタードやエイサップ・ヤムズら伝説的ラッパー、まだこれからという若きラッパーのリル・ピープやマック・ミラーもODで死んでいる。もうこれ以上、ドラッグで命を落とすアーティストが出ないよう祈る声は、日増しに強くなっている。