藤森慎吾、「男は引く」発言の問題点――女性が「避妊具を買いに行こう」と提案するのは当然
しかし、本当にそうだろうか。西野の元カレが最初から体だけの関係を望んでいる可能性もあるわけだから、避妊具を買いに行こうと言っても言わなくても、セックスの時しか会わず、ぞんざいに扱われる可能性はあるだろう。
それに、避妊のことを口にすると男が引くと言うのなら、女性は男性に“されるがまま”になっておけということなのだろうか。近年、性感染症である梅毒が爆発的に流行しており、中でも20代女性の罹患率が突出しているそうだ。避妊具を使うことと、不特定多数と性交渉をしないことが予防法だという。また避妊具を使わずにセックスをすれば、望まぬ妊娠をする確率も上がる。病気や望まぬ妊娠となれば、女性は自分の体を痛めることになるわけだから、避妊を求めるのは当然のことではないだろうか。
ましてや、藤森はあまたいる芸能人の中でも、特に避妊に気をつけなければならない“前科”がある。2012年、藤森はTBSアナウンサー(当時)・田中みな実との熱愛を「フライデー」(講談社)に報じられたが、これは藤森がクラブで知り合ったモデルを妊娠・堕胎させ、350万円を支払った事実を隠すためのバーターだと「週刊文春」(文藝春秋)が報じている。「文春」によると、女性はべろべろに酔っていた藤森を部屋まで送っていったところ、押し倒されて、関係を持った。藤森は避妊具を持っておらず、「絶対中には出さないでね」と女性は訴えたそうだが、すでに射精した後だったという。この女性の言うことが真実ならば、藤森には性的合意も、避妊する意識もなかったということだろう。
今の時代だったら、問答無用で引退に追い込まれるスキャンダルだろうが、そういった脛に傷を持つ藤森も、避妊への意識に特に変化はないようだ。藤森はチャラ男、もしくはモテているポジションから恋愛の解説者にノミネートされたのかもしれないが、私は年長者として、避妊の話をしたくらいで引く男なんてやめておけと声を大にして言いたい気分だ。
仁科友里(にしな・ゆり)
1974年生まれ、フリーライター。2006年、自身のOL体験を元にしたエッセイ『もさ子の女たるもの』(宙出版)でデビュー。現在は、芸能人にまつわるコラムを週刊誌などで執筆中。気になるタレントは小島慶子。著書に『間違いだらけの婚活にサヨナラ!』(主婦と生活社)『確実にモテる 世界一シンプルなホメる技術』(アスペクト)。