「ar」セクシー特集で、内田理央が「紐パン×ウサギの被り物」……女子向けエロが迷走!?
つい先ほど「エロを掲げる商売は奥深い」という浅い感想を書いたばかりですが、次に見て行く企画「セクシーになるためのいろは48のこと」の冒頭に、こんな文言が。
「“セクシー”って(中略)性的アピールだけじゃなくって、もっと奥深いもの」
やはり女子向けのエロは、「奥深い」という便利な言葉で、かわされがちであるようです。今回の企画は、その「奥深さ」を、「い」……色気、「ろ」……露出、というふうに、「いろは」48音を頭文字にとるキーワードで紐解くというもの。1つのキーワードごとに4~6行ほどの「セクシーになるための」解説が付いている構成なのですが、こちらも読めば読むほど、エロの迷宮に迷い込みます。
例えば「ゐ」は「いい女」で、解説文には「柔らかさ、おっぱい、曲線、スカート、メイク、ロングヘア…男性にはないものを磨けば、それだけでセクシーは成立」とあります。そのほか、「お」は「おっぱい」で、「初対面の男性が『顔の次に見る部分』とも言われるおっぱい」。「ふ」は「フェチ」で、「脚やお尻が強調されていれば、見ない男はいない」。「せ」は「扇情」で、「例えば、大胆な肌見せ服とか。見せるからには、肌荒れやムダ毛は禁物」……。
以上、抜粋ですが、それにしても奥深さ、皆無! むしろ「セクシー=単純」と読めてきます。「を」については「男」で、「『男ウケ主義』上等! だって、彼が喜んでくれたら私だってハッピー」と書いてあって、これも、自分ウケと男ウケの狭間で揺れ動き、結果ブレブレなっちゃう“「ar」あるある”の1つであると気が付きました。
「アソコでゆらり」するモノの正体
最後に見るのは「アソコでゆらり…が色気の発信地 セクシーバングの新法則」。前髪の毛先を目元、鼻、口元のどれかで揺らすと色っぽさが際立つとのことで、そういったヘアスタイルを紹介するページなのですが、そこに「アソコでゆらり…」なんていう狙いすぎな言葉を持って来るセンス、しびれます。
日常生活の邪魔しかならないであろう”目元でゆらり”の前髪も、「うっとうしい前髪を無意識に直すしぐさもセクシーに見えます」(美容師談)だそう。そういえば「セクシーになるためのいろは48のこと」でも、「ゆ」は「揺れる」で「目の前に獲物が現れたら狙いたくなるのが男ゴコロ。(中略)揺れアイテムで揺さぶってみて」と書かれていました。もはや「男性=獣」という扱いです。
今号の「ar」は、男性はこれほど単純なのだと訴えることで、女子向けエロの奥深さを強調するとともに、男ウケと自分ウケのバランスを取りましょうと、読者へ暗に伝えているのかもしれません。
(島本有紀子)