木下優樹菜は、「ヤンキー道の原点」に帰るべき―― “タピオカ騒動”で活動自粛に思うこと
飯島は結果的に、「元ヤンキー」というより「癒やし系女優」として地位を固めたが、一方の木下は、「ヤンキー」をうまく使ってステップアップしていったと私は見ている。家族を重んじる元ヤンキーとしての生きざまによるものなのかは不明だが、木下は、夫と子どもとの仲睦まじい姿をオープンにしている。インスタグラムのプロフィール欄には「娘にとって最高のMAMAだよ!!と思ってもらえたら、他に何を言われても聞こえないユキナ育」と、我が道を突っ走る育児を実践していると書かれており、これもまた、ヤンキーの精神性によるものと言えるだろう。情報過多で、人の目ばかりを気にする人が増えている中、こういう木下の態度は新鮮だったのか、彼女のインスタグラムは、フォロワー数530万人を誇っている。
また木下は、「木下組」と呼ばれるファンクラブの会員と、定期的に交流会を開いているそうだが、「夫が家事育児をしない」という悩みを抱えるファンに対し、「うちが旦那に電話しよっか?」と声をかけるなど、例によって「仲間を大事にする」スタンスでファンと交流していると、『今夜くらべてみました』(日本テレビ系)で明かしていた。木下のこうした対応が、ファンの心をつかんでいるのではないだろうか。
しかし、彼女の人気の要因でもあるヤンキー的なおせっかい、もしくは義侠心が仇になったようだ。木下と、木下の姉が勤務していたタピオカドリンク店店長のトラブルが明るみになり、大炎上が起こった。
事の発端は、今年7月、木下がインスタグラムで「姉がタピオカ店を開いた」と宣伝したこと。しかし、実は姉の店ではなく、単なる従業員だったらしい。同店のオーナーと店長は夫婦であり、店長にしてみれば、自分たちの店なのに「優樹菜の姉の店」と言われることは面白くないだろう。給料の支払いについても、姉と店長の間で意見の食い違いがあったようだ。
姉の言い分だけを聞き、木下は怒り心頭になったのだろう。10月6日、インスタグラムでファンに向かって「店に行かなくていい」と投稿。しかし翌7日、木下が店長に対し、「弁護士立てて、法的処理、いくらでもできるから」「こっちも事務所総出でやりますね」「週刊誌に姉がこういう目にあったと言えるから」といった脅しめいた内容のダイレクトメッセージを送っていたことが発覚した。フォロワー530万人の芸能人に「店には行くな」と言われたら、客が減る可能性はあるだろうし、店側にいやらがせをする人がいないとも限らない。木下の営業妨害と恫喝疑惑はネットでバッシングされた。
義侠心が強いキャラでやっているのなら、この時にすぐにテレビで謝ってしまうか、店長にきちんと謝罪して「和解」をもぎとればよかったのだろうが、同9日、木下はインスタグラムで謝罪するに留めた。「週刊文春」(文藝春秋)によると、木下はその後、夫であるフジモンこと藤本敏史と母親とともに、店長宅に出向いたそうだが、店長には会えず、謝罪できていないという。この中途半端な姿勢がよくなかったのか、木下バッシングはやまず、とうとう11月18日に芸能活動を自粛することを発表した。