カルチャー
[女性誌速攻レビュー]「Domani」12・1月号

「Domani」文京区ママの並々ならぬ “東大熱”! 「真のエリートとは……」熱弁に引いてしまうワケ

2019/11/15 17:10
島本有紀子

 最後は、連載「実録!? 東京23区・働く母の生態ファイル」。リニューアル後から始まった、区ごとのママの生態をインタビューやアンケートで明らかにしていく読み物ですが、今回が最終回とのこと。

 これまで取り上げられたのは千代田区、港区、江東区、渋谷区、世田谷区、そして今回が文京区。ずっとセレブなママエピソード中心だったので、これからやっと、荒川区や墨田区といったそうではないイメージの区が読めると期待していたのに、最終回とは! 最初から“オシャレ区”だけを取り上げる算段だったのかと、残念です。

 気を取り直して文京区。有名国立小や区立小(3S1K)がある「教育の街」だそうで、教育ママエピソードが多く語られています。特に区内の本郷にある東京大学には並々ならぬ思い入れがある様子。「東大は私の庭」的感覚もあるようで、「子どもの自転車練習場はなんと東大」「家族の散歩コース」だそうです。

「“東大かハーバードか”なんていうのはかなり大げさだと思いますが(笑)、やるからには最高峰を目指してほしい」との子どもへの重すぎる期待が語られているほか、「いい教育は子どもの人生の選択肢を広げてくれる」「先行き不安な世の中、子どもに親がしてあげられることはやっぱり教育」「どこでもいいからとりあえず大学に…では、これからの時代を生き抜くのは難しい」「歴史ある大学は、自ら学ぶ意思や姿勢、目的を持った学生が集まる」「真のエリートというのは、自分の頭で考えて行動できる人だと思うし、何よりいい大学はそういう学生がしっかり学べる環境が整っている」等々、とにかく意見が熱すぎる。今までのどの区よりガチで、ちょっと引きます。

 「ママが高学歴」も“あるある”だそうで、「ママ友同士、出身校を言い合ったりはしない」ものの、「東大をはじめ一橋大やお茶の水大、地方の有名国公立大、あるいは早慶」がごろごろいると書かれています。さりげなく出身大学を探り合うママ友付き合い、想像しただけで疲れるような……。これで最終回とは、本当に残念です。次回からの新連載を楽しみに待ちたいと思います。
(島本有紀子)

最終更新:2019/11/15 17:10
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