コラム
いよいよ寒くなってまいりました

ユニクロ「ヒートテック」以上に優秀な保温インナーはある? 専門家がおすすめする「無印」「イオン」の肌着とは

2019/11/19 19:00
南充浩

 さて、今回の趣旨は、「ユニクロのヒートテックより安価で、かつ機能性が高い保温肌着はあるのか?」ということなのですが、今秋冬のヒートテックは、レディースの半袖・8分袖・長袖シャツが990円(税別)、「ヒートテックの1.5倍暖かい」とされる「極暖ヒートテック」は、8分袖・長袖シャツが1,500円(税別)となっています。これらは、平均的な価格なのではないでしょうか。そして、ヒートテックの素材組成は、ポリエステル38%、アクリル32%、レーヨン21%、ポリウレタン9%で、合繊の塊とも言えます。21%混じっているレーヨンが、汗や体表の水分を吸収して発熱するというのがヒートテックの仕組みで、汗をかけばかくほど暖かくなるというシステムです。

 そのため、乾燥しやすい肌の人や、合繊の服だと肌が荒れやすい人は、ヒートテックは「合わない」とも考えられます。そういう人におすすめで、かつ今、密かに売れていると言われているのが、無印良品の「綿であったかインナー」シリーズです。素材の組成は半袖シャツで綿93%、ポリウレタン7%となっていて、オーガニックコットン使用と謳われています。水分を吸収して発熱するという特性は、レーヨンだけのものではなく、実は綿にもあるのです。無印のインナーは、特殊な加工を施すことで、その性質をさらに高めたとされており、合繊だと肌荒れしやすいという人にとっては、ユニクロのヒートテックより優れた商品だと言えます。

 また価格についてですが、レディースではタンクトップ、8分袖シャツ、はらまきショーツ、レギンスの4種類があり、価格はどれも990円。ユニクロのヒートテックと同じ価格と思いきや、ユニクロは税抜き価格である一方、無印良品は税込み価格のため、単純に価格だけで言うなら、無印良品の方が消費税分の99円お得ということになります(ちなみに昨年秋時点の「綿であったかインナー」は、価格が1,290円だったものの、今秋から990円に値下げされました)。

 ただ、オーガニックコットンをこれほど安く仕入れて売ることは至難の業なので、繊維・アパレル業界からは、実は「本当にオーガニックコットンなのか? オーガニックじゃない普通の綿じゃないのか?」と、不信の目で見られているという裏話もあるのですが、とはいえ、ほぼ綿というのは間違いないでしょうから、合繊が苦手な人は一度試してみてもいいかもしれません。なお、某素材メーカーからの情報によると、9月と10月、「綿であったかインナー」は昨年の倍近い売れ行きだったそうです。

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