みのもんた「置物化」黒柳徹子「息切れ」蛭子能収――テレビ界の“笑えない”高齢タレント
さる9月、総務省が75歳以上の人口について1,848万人(2019年9月15日現在)であることを発表した。これは総人口の14.7%を占め、日本人の7人に1人が75歳という計算になる。そんな高齢化の波が、テレビ界にも迫っている。
「女優でいえば広瀬すずや橋本環奈、清原果耶、男優では菅田将暉や吉沢亮、中村倫也などが台頭。お笑い界も新陳代謝が進み、霜降り明星やEXIT、宮下草薙などいわゆる“第7世代”が席巻するなど、各分野で若年層の活躍が目立ってはいますが、実は慢性的な人材不足であることに変わりはありません」(芸能ライター)
お笑いの世界ではビートたけし、明石家さんまと30年前のトップがいまだにアタマを張っている。役者の世界では、母親役といえば麻生祐未、原田美枝子、風吹ジュンが固定メンバー。当然、ドラマの主演も同じ顔触れだ。女優では、波瑠、北川景子、高畑充希が毎クール、ローテーションを組んで回しているようにしか見えない。司会者となると、関口宏がいまだに日曜の朝、『サンデーモーニング』(TBS系)を仕切っている。
しかし、番組に“固定化”した高齢者は関口だけではない。最も知られているのは、『秘密のケンミンSHOW』(日本テレビ系)で、久本雅美の隣にいる“二言おじさん”だろう。
「みのもんたです。『ケンミンSHOW』の公式サイトでは、みのの名前が久本より先に書かれているので、名目上はみのの番組。ですが、実質は久本で動いている。みのの役割と見せ場は、オープニングで終わります。『さあお待たせいたしました、カミングアウトのお時間です』、そして『エブリケンミン、カミングアウト』という二言。ここ5年はそんな“置物”状態が続いています。当初は、まったくトークに参加しないみのの姿が多少、騒ぎになりましたが、もはや70歳を過ぎた老人ですから、誰も降板を求めたりしません」(同)
かつては『みのもんたの朝ズバッ!』(TBS系)『午後は○○おもいッきりテレビ』(日本テレビ系)と、平日の帯番組を掛け持ちするなど精力的に活動していた彼も、今やめっきり老けこみ、『ケンミンSHOW』が唯一、人と触れ合う場となっている。
そして、もう一人は本業が漫画家であることを知らない世代も増えてきた、あのタレントだ。
「10月21日で72歳となった、蛭子能収です。2017年1月の放送をもっていったん終了したはずのテレビ東京系の人気特番『ローカル路線バス乗り継ぎの旅』が、『太川蛭子の旅バラ』というレギュラー番組の中で復活。定期的にオンエアされていますが、かつては少しでも歩こうものならボヤキを連発。さらに食事の際も、例えば海老の塩焼きを見て『海老、ちっちゃ~い』と正直な感想を言って店主を怒らせるなど、厄介な旅行客だった蛭子さんが、今やボヤくどころか無言状態。喜怒哀楽に乏しく、毒にも薬にもならない、ただの同伴者になっています」(同)
蛭子といえば2014年に、軽度認知障害と医師に診断されたものの、改善傾向にあったはず。かつての「蛭子節」はもう聞ないのであろうか。
さらにもう1人、テレビの歴史を作ってきた“ギネスウーマン”も、ゆっくりと年齢に抗えなくなっている。
「黒柳徹子です。15年5月には放送1万回を迎え、同一司会者による番組の最多放送回数記録でギネス世界記録に認定されました。そんな彼女も86歳。さる先月18日の放送では、1万1,111回ということで、現役時代は背番号1で知られるプロ野球・福岡ソフトバンクホークスの王貞治会長がゲストで登場したのですが、黒柳は少し話すだけで息切れし、さらには声枯れしていました。自身は100歳まで『徹子の部屋』をやりたいと息巻いていますが、無理せず過ごしてもらいたいものです」(同)
以上、挙げた人物のほかにも高齢タレントは多く存在する。視聴者のラブコールに応えてテレビに出続けているのか否か、そうでなければ静かに余生を過ごしたほうが賢明なような気がするが……。
(村上春虎)