元極妻が考える神戸山口組銃撃事件――10月に迎える六代目若頭「出所」と工藤會・総裁「初公判」
言い方はアレですけど、これは「起こるべくして起こった事件」といえそうです。これからも、報復攻撃に対する報復攻撃が続くかもしれません。
以前から、高山若頭の出所の前後に「情勢は大きく動く」との見方はありました。若頭は10月17日に刑期を満了し、18日に東京・府中刑務所を出所と(今のところは)伝えられています。9月には「もう府中を出て名古屋刑務所に移送された」とかのデマも出たようですが、最近は静かだったのに、この射殺事件でガラッと空気が変わりましたね。山口組の分裂は若頭の服役中のことで、獄中で激怒したと伝えられてもいますから、これからどうなるのか、しばらくは目が離せません。
もちろん「若頭の出所の瞬間」もすごいことになりそうです。2011年4月に六代目山口組・司忍組長が府中刑務所を出所した時は、ボルサリーノに長めのマフラーというファッションの意外性もあって、マスコミが大騒ぎでした。六代目御一行の移動を生中継するワイドショーもありましたから、警察はかなりピリピリしているようです。もしかすると、実話雑誌よりも一般のメディアのほうが張り切っているかもしれません。
逮捕から5年の「初公判」
この10月は、高山若頭の出所とともに、北九州市を拠点にする五代目工藤會・野村悟総裁と田上文雄会長の初公判も注目されています。
報道などによりますと、この公判では、元漁協組合長射殺事件(1998年)、福岡県警の元警部が銃撃された事件(12年)、福岡県内で看護師が刺傷事件(13年)、福岡県内で歯科医師が刺傷事件(14年)の4件がまとめて審理される予定で、元漁協組合長射殺事件は殺人罪、ほかの3件は組織犯罪処罰法違反だそうです。
それにしても起訴案件が多いとはいえ、2014年9月の逮捕から初公判が開かれるまでに5年もたっていること、その間ずっと接見禁止処分を受けていて、今後も判決が確定するまで接禁が続く見込みであることには、批判の声も出ています。
思えば、この時の逮捕報道もすごかったです。全国の警察から約300人の機動隊員が派遣されたそうで、多くの組員さんが見守る中で、混乱もなく静かに県警のワゴン車に乗り込んでいきました。
10月10日発売の「週刊実話」(日本ジャーナル出版)で、宮崎学さんが「総裁が被っていた帽子を関係者に預けると、車は静かに発進し、関係者らは一斉に頭を深く下げて車を見送った。まるで往年のヤクザ映画である」と当時の様子を書いていました。ほんと映画みたいですね。
それにしても、なんで初公判までに時間がかかったのかというと、野村総裁らから殺人などを「指示された」とされる実行犯の若い衆の裁判を先に進めたからのようです。若い衆の裁判はすでに確定していて、「外堀」を埋められたというわけです。しかも、裁判官は若い衆の裁判と同じだそうですから、弁護団はかなりの苦戦を強いられるとみられています。こちらもチェックは欠かせません。