コラム
女のための有名人深読み週報

道端アンジェリカ、夫の逮捕報道を通して見えてきた「実はカネに執着ナシ」の一面

2019/10/10 21:00
仁科友里

  もう一人のカネの話を臆することなくするオンナ、道端アンジェリカは今、渦中の人と言っていいだろう。

  アンジェリカの夫が、アンジェリカの知人男性から35万を脅し取ったとして逮捕された。夫は男性に「お前の家族をめちゃくちゃにする」「ウソをついたら、鉛筆で目を刺す」「人生やり直しだな」と迫ったそうだ。なぜこのような事件が起きたのか。アンジェリカの所属事務所のホームページに掲載されたコメントによると、「今回の夫の発言は、私が知人の男性と身体を密着させ飲酒していたことを夫が疑い、そのことで夫がお相手の方を責めた結果、なされたものでした」としている。「スポニチアネックス」によると、二人は夫の経営するバーの個室で密着していたとされ、個室に備え付けられた防犯カメラの映像を見た夫が、アンジェリカと共に、男性の職場に乗り込んだそうだ。

  アンジェリカがなぜ男性と密着していたのかはわからないが、夫の目の届く場所で、防犯ビデオが備え付けられているのに、わざわざ夫の嫌がることをするとは考えにくい。さらに、夫と一緒に男性の職場に乗り込んでいるのだ。なぜアンジェリカは、自分も恐喝行為に一枚噛んでいると思われることに気づかなかったのだろうか?

  夫の逮捕を受けて、アンジェリカは『東京ガールズコレクション北九州2019』の出演を取りやめており、事件の全容が明らかになるまで、今後も活動を自粛することが予想される。場合によっては、長期休業をやむなくされるかもしれない。35万のカネを脅し取る夫を止めなかったために、カネに換算できない損失をこうむってしまったと言えるだろう。

  そんなアンジェリカを「バカだ」と責めたいわけではない。案外アンジェリカは、実のところカネに興味がなく、ザル勘定なのではないかと思うのだ。「女性自身」(光文社)によると、結婚当時の夫はPR会社のサラリーマンで、年収5000万には届いていなかったそうだ。もし本当にアンジェリカがカネ第一主義なら、稼げる額に限界があるサラリーマンとは結婚しないだろうし、もっと緻密にカネのことを考えていたならば、自分の仕事に差しさわりがある行為(仕事ができなければ、自分の収入も減る)に加担するような行動は取らないのではないか。彼女は西川と違って、高収入の男性を遠ざけるだけでなく、タレントとしてのポジションまで失いかけてしまったように思う。

  ほかのアジア地域と違い、日本はカネを不浄と見ることがある。金銭の寄付を浄財と言うのも、カネを穢れたものとする意識があるからだろう。ゆえにカネの話をする人は下品だとされ、眉をひそめられるわけだが、アンジェリカの例から考えるに、カネの話をする女性は、案外ワキが甘いというか、お人よしではないだろうか。カネの話をしない人の方が、カネに対する執着が強いのかもしれない。

  カネがなくては生活できないのは、誰にとっても疑いのない事実であろう。それくらい重要なものだからこそ、カネの話をしてはいけないと解釈することもできるはず。現状の日本において、「高収入男性と結婚したい」という女性は、マナーの面でも、アンジェリカの轍を踏まないためにも、「結婚相手は年収〇万以上の人」と口に出すことはやめた方がいいのかもしれない。

仁科友里(にしな・ゆり)
1974年生まれ、フリーライター。2006年、自身のOL体験を元にしたエッセイ『もさ子の女たるもの』(宙出版)でデビュー。現在は、芸能人にまつわるコラムを週刊誌などで執筆中。気になるタレントは小島慶子。著書に『間違いだらけの婚活にサヨナラ!』(主婦と生活社)『確実にモテる 世界一シンプルなホメる技術』(アスペクト)。

最終更新:2019/10/10 21:00
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