【アラサー一人暮らし、理想の賃貸物件を探す】「家賃」は“少し背伸び”がちょうどいいワケ
「引っ越しシーズン」といえば、新生活がスタートする春先を連想しがちだが、実はこれから“狙い目”な時期がやってくる。8~9月は転勤シーズンのため物件に空きが生まれ、10~12月中旬までは引っ越し業者が「閑散期」のため、費用が安く済むのだ。とはいえ、不動産サイトをのぞいても、素人目では“いい物件”の判断がつかない……。そこで、住居・防犯・風水のプロが「アラサー女性一人暮らし」に最適な部屋をジャッジ。“物件三銃士”が認める理想の住みかは見つかるのか――!?
部屋探しのコツとポイント! 物件三銃士から3つの助言
・家賃の目安は手取り額の「25~35%」と心得よ
・「ほかの人に決まっちゃう」……そんな話は聞き流せ!
・物件探しは「感謝の気持ち」を持って!
<賃貸物件の場所>
・都心部から電車で20分、最寄り駅から徒歩10分(バス停まで徒歩3分)
・大通りから1本小道に入った場所にあり
・徒歩15分の場所に総合病院あり
<賃貸物件の詳細情報>
敷金/礼金それぞれ1カ月分、鉄筋コンクリート、5階建/3階(16戸)、角部屋、管理人巡回、防犯カメラあり、ペット不可、オートロックあり、テレビモニターつきインターフォンあり、宅配ボックスあり、ゴミ出し24時間OK、都市ガス、階段あり、エレベーターあり、浴室乾燥機あり
これまでいろいろな物件を見てきましたが、今回の物件で決めようと思います! 三銃士から得た知識を生かして探し当てたお部屋、いかがでしょうか!? 内見にも2回行き、セキュリティや周辺環境のチェックはバッチリ。もちろん「完璧」とはいえないですが、自分の心がけ次第で解消できる程度ならば、問題ないかなと。……でも実は、当初想定していたよりも、若干家賃が高くなってしまいました。住みやすさのことを考えると仕方ない部分もありますが、やっぱり無理はしないほうがいいでしょうか? 最後の鑑定、お願いします!
家賃は手取りの25~35%、初期費用は「家賃5カ月分」を目安に! 「住居のプロ」評価 ★★★★☆
女性の場合は、男性よりも“自分の住まい”への思い入れが強く、「住まいに対する満足度」が「日々のモチベーション」につながりやすい傾向があります。家賃を抑えてガマンするよりも、ちょっと“背伸び”するぐらいのほうが、毎日の生活がキラキラと輝いて楽しくなるはず! 「若干家賃が高く」なっても、気に入った物件を選んだのなら、それは正しい選択だったといえるでしょう。
ちなみに、理想の家計バランスを考えた場合、「家賃=住居費」は、月収(手取り額)の25~30%以内に収めるのが望ましいとされています(ただし、都心部では住居費が高くなるため30~35%以内)。例えば、手取り額が25万円の方なら、家賃7~8万円ぐらいの物件が目安。また、敷金・礼金、仲介手数料、保険料などの初期費用については、「家賃5カ月分」が一般的な相場とされていますから、家賃7~8万円の場合だと、最低40万円の資金を用意する必要があるでしょう。なお、初期費用のほか、引っ越し業者等の費用がかかることも忘れずに!
筆者がいつも女性向けのマンションセミナーでお話しているのは、「住まい選びは“結婚相手選び”によく似ている」ということ。非の打ちどころがない完璧な条件がそろった相手(住まい)なんて、まずありえません(笑)。でも、「この部分はマイナス点だけど、こっちの部分がものすごく好きだから、一緒に暮らしたい」……そんな視点で住まいを選ぶようにすると、きっと幸せな新生活を送ることができるはずです。マイナス点ばかりに目を向けていると、いつまでたっても決められません。ぜひ“プラスの部分”に注目しながら、理想の物件を探し出してみてくださいね!
■「住居のプロ」福岡由美(ふくおか・ゆみ)
ライターエージェント、ヒューズ・エンタープライズ代表取締役。住宅ライター・住宅ローンアドバイザー・FP技能士・ ラジオ構成作家。大手生命保険会社で事務職に従事した後、 ラジオレポーターに転身し名古屋・ 東京の放送局で中継レポーターとして活躍。その後、 間取り好きが高じて住宅ライターとしての活動をスタート。 現在は東京・ 名古屋を拠点に全国で取材を行いながら住宅情報ウェブサイト等で コラム・レポートを執筆中。20年超の取材経験を生かし『女性のためのマンション購入セミナー』や『失敗しない家づくりセミナー』などの講師も務めている。
中日新聞「オピ・リーナ」ブログ『なごやのねたや福岡由美の名古屋ネタ帖』