「Domani」子どもの学校が「私立か区立か」でマウントを取り合う、渋谷区在住ママの恐ろしさ
最後は、毎号注目している連載読み物「実録!? 東京23区・働く母の生態ファイル」。今回は渋谷区ママ編で、千駄ヶ谷、代々木上原、代官山などの高級住宅地にお住まいのワーママにインタビューしています。
「高島屋はご近所スーパー」「代々木公園や明治神宮は庭」「伊勢丹は目をつむってでもどこに何があるかわかる」など、この連載で前にも読んだようなセリフが渋谷区ママからも飛び出します。
さらに「(子どもたちは)みんなが並ぶタピオカやプリクラは空いてる時間にさっと行ってるし、芸能人のパパやママを普段から見てるからいちいち反応しない。ありがたみがないんですよ。好きな食べ物は? と聞かれて“テッサ”(註:ふぐ刺し)と答えたときには、なんかいろいろ考えちゃいました」と、自虐風自慢という技も披露。
中でも最もヒートアップしていたのが、子どもの教育の話題でした。Eさんが「半分くらいは私立小学校のお受験をするんじゃないかな。いちばん人気は青学」と言えば、息子が区立に通っているFさんは「お受験、一応するけど、いい区立があるから落ちてもいいやっていう力みすぎてないママが多いかも(笑)」とアピール。“(笑)”が余計、怖いです。Fさんがさらに、区立小が力を入れているIT教育について15行にわたって熱弁すると、Gさんも「うちの娘は区立の松濤中学校に通っているんですが、英語教育の重点校になって……(以下長いので略)」と校名を挙げてまで助太刀します。
そこにDさんが「各家庭で教育方針をしっかり考えている印象。中学受験をする家庭は、3年生くらいから有名塾に通わせています」と統括しようとすると、Cさんが「子どもは家から近いのが一番じゃない? 私も娘も区立に通ったし」と“子ども目線”を持ち出してきました。今までのどの区のママより、区立派の「私立には負けない!」アピールの熱量が高く、かえって私立コンプレックスを感じます。
渋谷というコンクリートジャングルで生き抜くには、自分の身を守る自虐風自慢、マウンティングをし返す話術といった、サバイバルスキルが必要なのかもしれないと思いました。
(島本有紀子)