保育園の副園長から「娘の服装」を注意……ママ友LINEでの疎外感が「つらい」現状
今や日常生活において、かかせないツールとなっているコミュニケーションアプリ「LINE」。かつては子どもの送迎時に、ママたちが立ち話をしているような光景が見かけられたが、時間に追われ忙しく過ごす共働き世帯が増えた今、ママたちのコミュニケーションの場は、LINEのグループチャットになっているという。そんな、ママたちの「グループチャット」から浮き彫りになった、彼女たちの悩みや、苦悩、気になる話題を覗いてみる。
子どもを保育園に通わせているママにとって、服装や持ち物の悩みは尽きない。近年は、認可や認証など、保育園の種類も細分化されているため、とりあえず一時的に入園し、条件の良い園へと転園を繰り返しているケースや、上の子と下の子が別々の園に通っているケースなどがあるが、それぞれ園によってルールが違うため、ママは混乱してしまうという。
関東近県にある認可保育園に、3歳になる女児を通わせている舞子さん(仮名)は、子どもの服装が原因でママ友と険悪な雰囲気になってしまったという。
舞子さんは「うちの子は、2歳までは小規模の認証保育所に通っていました。空きが出た認可保育園に4月から転園できたのですが、そこは認証保育所とは違って、細かなルールが多かったんです。最初にもらう“入園のしおり”みたいなものは、コピーされた数ページの冊子。服装については、枚数など最低限のことしか書いていなかったため、どういう服はNGなのか、わかりませんでした」と、トラブルの発端は園の説明不足にあると語った。
「これまでの園では、チュニックやワンピースも可で、暑い日はノースリーブも大丈夫だったのですが、新しい園は、Tシャツ以外全てNG。散歩など課外活動で汗をかくため、夏は3回ほど着替えもすることもあるとかで、服の数が足りなくなってしまいました。さらに、ボトムも飾りなどがついていないズボンのみで、子どもが好きなスカートとズボンや一体化したスカッツもダメでした。先生から、口頭で注意されただけだったので、しばらくダメな服も着せて登園させていました」
認可保育園に転園すると、すぐにリーダー格のママから、LINEのグループチャットに招待されたという。もともと、あまりメッセージを送る習慣のなかった舞子さんは、ほとんど読むだけになっているという。
「私は普段、web媒体の編集をしているのですが、土曜も在宅で仕事をしているため忙しく、LINEの通知が頻繁になるのが、正直うっとうしい時もあります……。これまでの小規模保育所では、3歳になるとみんな卒園しなければならないので、あいさつ程度の付き合いだけでした。でも認可保育園では、0歳からずっとクラスのメンバーが固定で持ち上がっているので、結束が固いんですよね」
LINEの普及によって、ママ友同士も気軽に連絡先を交換できるようになったが、交流自体を避けることができないストレスもあるようだ。
「私はママ友付き合いが面倒なのもあって、保護者会などの行事には参加しない方針でいたんです。だいたい、保護者会の内容はグループチャットで確認できるし、前の園では、全体での保護者会などはなかったので、出席しなくても大丈夫かなと思っていました」
しかし、今の園では保護者会や意見交換会などの集まりの後に、気の合うママ友同士でランチ会などが行われていたそうだ。
「普段のお迎えではゆっくり話す機会がないので、保護者会の後にママ同士でランチをしたりして情報交換をしているようでした。保護者会で、服装について飾りがあるようなものはダメなど、細かく注意があったため、ランチ会では娘の名前が挙がっていたようです……。お迎えなどで、同じクラスのママと会っても、なんだかよそよそしいなと感じるようになりました」
保育園の服装は、年齢によっても、園によってもまちまちで、ルールが統一されていない。また同じ園でも、保育士の方針によっては、たとえルールに反した服装であっても、厳しく言われないケースもある。
「保育園は、入園してみないと持ち物や服装などの決まりがわかりづらい部分があり、困っています。先生によっては見て見ぬふりですし、となるとこちらも『これくらい大丈夫でしょ』という思いがあるので、どうしてもNGな服を着せてしまうんです。でも、うちの子が、フリルの付いているカットソーや、ショートパンツを穿いていると、『同じクラスの女児が着たがる』と言って、副園長から『やめてください』と直々に注意されました」
LINEのグループチャットでは、舞子さんの娘の服装については誰も何も触れないという。彼女は、「それが逆につらいんです」と語った。