“ジャニーズ”のイメージが「まあまあトシがいってて、そんな美形じゃない」に変化する懸念
また、現在放送中の『あなたの番です』(日本テレビ系)出演で注目された謎の美少年・荒木飛羽は、『好きな人がいること』(フジテレビ系)で山崎賢人の、『トドメの接吻』(日本テレビ系)では新田真剣佑の幼少時を演じていた。そんな彼の出自は、「JUNON」(主婦と生活者)主催の「2018年ネクストブレイク美男子」だ。
昨年、ドラマ初出演にして有村架純の相手役を瑞々しく演じた『中学聖日記』(TBS系)の岡田健史も、以前だったら、人気ジャニーズあるいは“推されジャニーズ”が歩んできた道だったのではないだろうか。そんな誰もが認める美形・岡田を見つけたのは、芸能プロダクション・スウィートパワーの男性部門、スパイスパワーのスカウトマンだった。しかも、福岡にいる頃、学校帰りにスカウトされ、5年間も口説かれ続けてようやく芸能界入りしたというのは、有名な話である。
また、『恋のツキ』(テレビ東京系)で徳永えり演じるアラサー女性と恋に落ちる高校生男子役や、『3年A組―今から皆さんは、人質です―』(日本テレビ系)の水泳部のマネジャー役で注目を集めた神尾楓珠。彼の場合は、『監獄のお姫さま』(TBS系)や『アンナチュラル』(同)『シグナル 長期未解決事件捜査班』(フジテレビ系)に影のある美しさを放って登場したときに、「ジャニーズかな?」と思った人も結構いたのではないだろうか。
ジャニーズの中山優馬や若い頃の今井翼にも似ていると言われる、目ヂカラの強い美形ぶりは、ぜひジャニーズに欲しかった人材だろう。おまけに、このビジュアルで芝居もできる。
かつての「ジャニーズっぽい」美少年・美青年は他事務所に流れ、ビジュアルだけでなく実力もある若手俳優たちが続々と登場しているのだから、ジャニーズ事務所の苦境を思わざるを得ない。
なにせ毎日、ドラマやバラエティなどさまざまな番組に、さまざまなジャニーズJr.が登場しているというのに、一般的に名前と顔が知られている者は、ほぼ皆無だろうから。おそらく世間が一番知っている顔・西畑大吾(なにわ男子)ですら「朝ドラに出てた」「『ごちそうさん』のかっちゃん」「『あさが来た』にも出てた」「高橋一生のドラマに出てた」という感覚で、フルネームは知らない人が大多数のはず。
さらに困ったことに、かつての「知らないイケメン(美少年・美青年)発見→ジャニーズかな?」という世間的イメージが崩れてしまった今、その代わりに「まあまあトシがいっていて、そんなに美形じゃない人→ジャニーズJr.かな?」というイメージが出来上がりつつあること。
これは女性アイドルで一時代を築いたAKB48グループの末期によく似ている気がしてならない。ヘタな鉄砲数撃てば……ではなく、もう少し冷静に、適材適所を考え、数を絞って集中的に推してみた方が効果的ではないかと思うのだが……。
(南山ヒロミ)