【アラサー一人暮らし、理想の賃貸物件を探す】物件の「日当たり」は気にする必要ない!? もっと重要視すべきポイントは?
「管理人巡回」「防犯カメラありオートロックあり」「テレビモニター付きインターフォンあり」「宅配ボックスあり」「ゴミ出し24時間OK」と、設備や条件的に住みやすく、セキュリティが高いと思われる物件です。また、立地的に「特急も停車する駅から徒歩10分」な上に、大通りからもそう離れていないようなので、利便性も高いです。ただ、住居やビルに囲まれているということで、それらの物件がオフィスや賃貸物件が中心だと、住民同士の面識は少なく、地域の防犯意識は低い可能性があります。
また、“すりガラス”についてですが、通常のガラス窓では向かいの建物から“丸見え”になってしまうため、すりガラスを使用して、部屋の中が見えにくいように計らっているのだと思われます。しかし、防犯的に効果が高いかというと疑問です。確かに目隠しにはなりますが、複層ガラスの間にフィルムを挟んだ「防犯ガラス」でなければ、ガラスを割って部屋に侵入できてしまうため、安全面ではあまり効果がないのです。それと、気になるのは「隣のビルとの距離」。バルコニー同士が接していると、窓から簡単に侵入されてしまう可能性があり、女性の一人暮らしでは不安が伴います。
窓について、もう一つ確認してほしいのが“鍵”です。一般的に、賃貸住宅では「クレセント錠」が使われていますが、これは防犯性能が低く、ガラスを割って鍵を回すことで、簡単に窓を開けられてしまいます。クレセント錠でもロック機能のついているものは開けにくくなりますが、さらに自身で補助錠をつけたり、窓に防犯フィルムを貼ると安心でしょう。解錠までに時間がかかればかかるほど、不審者は侵入を諦めることが多いのです。
また、この物件であれば、洗濯物の室外干しはオススメしません。ほかのビルと隣接した場所に洗濯物を干せば、女性の一人暮らしであることだけでなく、留守にしている時間が知られてしまう可能性があります。どうしても外干しをするのであれば、人に見られてもいい洗濯物に限り、下着等は部屋干しするのがいいでしょう。
なお、この物件は防犯上の懸念も決して少なくはないですが、窓が小さく少ない点がとても気になります。入居前にはキレイにクリーニングされていても、通気性の悪い収納の中などは、カビが生えている可能性があるからです。湿気やニオイなど気になる点はないか、物件を見学する際に、収納等すべての扉をしっかり開けて確認しましょう。
■「防犯のプロ」河野真希(かわの・まき)
一人暮らしアドバイザー。自らの一人暮らし体験を元に取材や研究を重ね、2001年からWebを中心に各種メディアで暮らしに関する情報を発信。料理や家事、インテリアなど、気持ちのいい暮らしを作る、はじめるためのライフスタイル提案を行う。流行や思い込みにとらわれずに、無理なく持続可能で快適な、自分らしい暮らしづくりを応援している。また、2016年4月より『料理教室つづくらす食堂』を主宰している。