元女囚が考える、米富豪の首つり獄中死――アメリカなら「自殺」に見せかけられる?
でも、未遂を含めれば、けっこう起こっています。原因は、つらいから。獄中でのいじめや人権を無視した処遇だけやなくて、ヒマやからいろいろ考えてしまうんです。
「家族や友だちに迷惑をかけてしまった……」とか、「これからの生活はどうしよう?」とかですね。私も、つらくて死にたくなったことがありました。ホンマにムショは行くところやないです。
もちろん施設では、自殺や脱走の防止のために、いろんなものを制限します。たとえば拘置所は私服なのでパーカーも着られますが、ヒモはNGですし、ネクタイもベルトもダメ。それにスニーカーなど走りやすい靴は履けません。ムショも含めてみんな「トイレサンダル」です。
それでもシャツの袖や靴下を首に巻きつけたり、ティッシュをのどに詰めたり、裸足で逃げ回ったりと、いろいろと工夫(?)するんですね。
和歌山カレー事件の林眞須美は、未決(刑事裁判の判決が確定していない)の時に、拘置所でくぎをのみ込んで自殺未遂騒ぎを起こしていますし、私がいた施設でも針をのみ込んだ人がいました。あとは、便器に顔を突っ込むとか、処方してもらった睡眠導入剤を飲まずにためておいて、一気に飲む方法とかもあります。どれも苦しそうですね。尼崎事件の角田美代子も、同房者がいてるのにシャツの袖を首に巻きつけて死んでました。他殺説もありましたが、やっぱり日本のムショや拘置所では自殺に見せかけて殺すのは難しいと思います。
アメリカは……どうでしょう?
中野瑠美(なかの・るみ)
1972年大阪・堺市生まれ。特技は料理。趣味はジェットスキーとゴルフ。『ダウンタウンなう』(フジテレビ系)や『新・情報7daysニュースキャスター』(TBS系)などへの出演でも注目を集める。経営するラウンジ「祭(まつり)」
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