ゴミ清掃員・マシンガンズ滝沢氏が見た、タピオカブームの狂騒――ゴミ集積所が映し出す“東京の変遷”
――日常生活の中で、ゴミに意識を向けるにはどうしたらいいと思いますか?
滝沢 環境先進国と言われるスウェーデンでは、保育園で分別を教えているそうですし、やっぱり子どものうちからしっかり身に付けていくことが大切なんだと思います。子どもは大人の行動をマネしたがるので、まずは大人が率先して分別をするべきでしょうね。僕も子どもの前では、「ペットボトルだからここに捨てよう」と、声に出しながら分別しています。筒状のケースで売られているポテトチップス容器は、楽しく分別を学ぶことができるのでおすすめ。蓋はプラスチック、ケースは可燃、底はスチールと3種類に分別できて、ケースを解体すると螺旋状に伸びるので、自然と子どもがやりたがるんです。
――ゴミを捨てる際、分別するのはもちろんですが、それ以外に心がけるべきことはありますか?
滝沢 みなさんゴミを集積所に捨てた瞬間に、ゴミのことなんて忘れちゃうでしょう? 自分は捨てて“スッキリ”するかもしれませんが、でも、その先には清掃員が回収して、清掃工場に運ばれていくという工程があるんです。「この捨て方をしたら近隣の人に迷惑がかかるかな」「ゴミ清掃員がケガをするかも」など、想像力を働かせてもらえたらと思います。そういうふうに、見えない物や人に思いやりを持てて、初めて“大人”なのではないでしょうか。もちろん、飲み残したタピオカドリンクを街なかに放置する人にこそ心がけてほしいですね。
マシンガンズ・滝沢秀一
1976年生まれ。1998年に西堀亮とお笑いコンビ「マシンガンズ」を結成。2012年より、定収入を得るために、お笑い芸人のかたわら清掃員としてゴミ収集会社で働いている。ゴミ収集中の体験や気付きを発信したTwitterが人気を集め話題に。著書にエッセイ『このゴミは収集できません ゴミ清掃員が見たあり得ない光景』(白夜書房)、漫画『ゴミ清掃員の日常』(講談社)などがある。
2019年8月6日、新刊『ごみ育 日本一楽しいごみ分別の本』(太田出版)が発売。間違えやすい分別方法を、50問のクイズ形式で紹介。イラストなども交えながら、大人も子どもも楽しくゴミについて学べる一冊になっている。