ヤクザの抗争をマスコミがあおっている! 元極妻が考える「山口組分裂問題」
それにしても、メディアはずっと抗争をあおっている印象です。「(定例会の)会合は短時間で終了したものの、抗争激化の気配が感じられた」(「週刊実話」19年7月13日付)とか。
実際のところはどうなんでしょうね? 今年10月には六代目山口組の若頭の出所が予定されていて、六代目側が「分裂終結のリミット」と決めているのだそうです。それまでに本当に統合したいなら、ドンパチやってる場合ではないと思うんですけどね。
一方で、「切り崩し作戦」は進んでいるようです。暴排で生活が苦しい若手組員などはターゲットになりやすいでしょうね。最近では、親分や兄弟分に黙って飛ぶ(逃げる)組員もいるそうですが、飛んだところで生活できるとは思えません。
各自治体の暴排条例では、組員はやめたり破門されたりしても、5年は「組員」と見なすとしています。勝手に消えた彼らに対して、組織が破門や絶縁の処分をちゃんとすれば、5年後にカタギになれるかもしれません。
これに対して気になるのが、組織がらみの「偽装破門」です。組員に破門処分を受けたことにさせて、カタギになれるまでの5年間をなんとか食いつながせ、ヒットマンをやらせるんですね。組織としては「5年も前に破門した子分のことなんか知らない」と言えるわけですが、何十年も前にやめていても「元暴力団員」と報道するのがマスコミですから、この理論が通じるかどうか。そもそもこの5年間をどう生きるんでしょうね。
もちろん過去にも「何年もかかって復讐した事例」はあります。たとえば1997年の五代目山口組若頭射殺をめぐって、5年後に沖縄で報復(カエシ)の事件があり、幹部が射殺されています。そして、この4月には、神戸山口組の中核組織である五代目山健組の若頭が六代目山口組の関係者に刺される事件が起きました。
今のところ、山健組は沈黙を守っていますが、「必ずカエシがある」と言われています。マスコミも「カエシの機会を虎視眈々と狙っている」とあおるわけです。
まあ元極妻の私が言うのもアレなんですけど、刑の長期化・厳罰化が進んでいる現在では、抗争は賛成できないですね。ムショに行くのは切ないだけです。過去に同じく山口組から分裂した一和会との山一抗争(84~89年)や、若頭射殺事件をめぐる抗争などで、今も長い懲役に行っている関係者がいるのですから。