嵐・大野智の過激ファンが「ネットで暴走するワケ」――臨床心理士が「アンリー」を解説
そんな大野アンリーの心理が「まったく理解できない」というAさん。確かにネット上にも、「大野アンリーは意味不明」「暴走しすぎている」といった指摘が飛び交っている状況だ。そこで今回、神奈川大学心理相談センター所長、人間科学部教授である臨床心理士の杉山崇氏に、大野アンリーの心理に関して、見解を聞いた。
杉山氏はまず、大野アンリーの心理について、「自らと大野さんを一体化させ、“悲劇のヒロイン”になっているのではないか」と考察する。
「人は、悲劇に酔いしれていると、自分の弱点や欠点から目を背けることができます。また悲劇によって、周囲から同情や共感を得られると、承認欲求が満たされ、脳から快楽物質が出るのです。大野アンリーは、自らの考える『大野さんの悲劇(=才能があるのに不遇な扱いを受けている)』に乗っかるような形で、悲劇のヒロインを楽しんでいるように見えます」
大野アンリーが、自身と大野を一体化するのは、「好き」という感情によるものだといい、「おじいちゃん、おばあちゃんが、孫のこと『目に入れても痛くない』というのと同じような感じ。好きで好きでしょうがなくて、自分と大野さんの境界線がなくなってしまっている状態とも言える」そうだ。
なお、悲劇のヒロインになるためには、“悪役”の存在が絶対不可欠と杉山氏。たいていは近しい人物を悪役に仕立てるため、「ほかのメンバーやスタッフを攻撃するような心理が働くのではないかと思います」という。
「大野アンリーには、『大野くんも自分と同じ気持ちだ』と考える傾向もあるようですが、心理学の用語でこれを“投影”と言います。自分の気持ちを相手に映し出して、『相手はこう思っているに違いない』とし、ファンタジーに酔いしれているのです。アイドルというのは、もともと“ファンタジーを売る”のが仕事だと思うのですが、大野アンリーは、大野さん自身やジャニーズが提供するファンタジーではなく、自らが生み出したファンタジーを拡大させ、酔いしれ、楽しんでいる……そんな印象を受けますね。私の考えとしては、それで自分が楽しむ分にはいいと思うのですが、周りの人を誹謗中傷して、ほかのファンを傷つけるのはどうなのだろうか、ほかのファンがかわいそうなのではないか、と思ってしまいます」