京アニ犠牲者に「アホ」のテロップミス――フジテレビ「経緯説明」も「ふざけてる」と批判
フジテレビは8月4日、全国ニュース番組『Live News it!』内で、京都アニメーション放火殺人事件の犠牲者である『らき☆すた』(TOKYO MXほか)監督・武本康弘さんへの追悼コメントにおいて、誤ったテロップを流す事故を起こした。その後、約7分後に番組内で訂正して謝罪したが、ネット上では「悪意ありすぎ」「わざととしか思えない」などと非難の声が噴出している。
「ミスが起こったのは、京アニのスタジオ近くに設けられた献花台の様子が放送された時です。右上に『「らき☆すた」監督の同級生も「あんなアホいない」追悼』と表示が出ていたのですが、その後、登場した武本さんの同級生が『天才だったからね、あんな天才いませんよ。絵みたらわかる、シナリオ見たらわかる』とコメントしており、テロップが誤表示であることが発覚しました」(芸能ライター)
30秒ほど、不適切なテロップが表示されていたことについて、番組アナウンサーは「サイドバー、字幕が誤っていました。正しくは『あんな天才はいない』でした。大変失礼いたしました」と謝罪。しかし、ネット上には「絶対にやってはいけないミス」「遺族に対して失礼」といった怒りの声が噴出し、さらには、番組スタッフに対して「テロップ製作者が謝罪しないと意味ない」「公式な謝罪をするべき」という指摘も多数上がる事態となった。
「今回の放送事故に関し、『東海テレビの「ぴーかんテレビ」の一件を思い出した』とするネットユーザーが多く見受けられます。2011年8月4日、同番組は、岩手県産の米の当選者として、『怪しいお米 セシウムさん』『汚染されたお米 セシウムさん』と表記されたテロップを約20秒にわたって放送。当時は、東日本大震災による福島第一原子力発電所事故の影響で、食物の風評被害が問題になっていた時期だったため、ネット上では、この不謹慎なテロップに怒りの声が巻き起こり、大炎上しました。その後、番組側は謝罪したものの、この放送を最後に打ち切りとなっています」(同)
その後、東海テレビは不適切なテロップを流した問題について、検証番組『ぴーかんてれび不適切放送~なぜ私たちは間違いを犯したのか~』を制作。テロップを作成した下請け社員らが出演し、その動機も赤裸々に語られた。
「番組内では、ほかにも当時番組制作に関わっていたプロデューサ―や、実際に操作ミスで不適切テロップを番組内に表示させてしまったタイムキーパーなど多くの関係者が出演。なぜこんなミスが起こったかについて、番組裏でのスタッフの動きも詳しく再現していました。しかし、今回同様の不適切放送が行われたため、『東海テレビの放送事故から何も学ばなかったの?』『いまだにこんなことが横行してるなんて信じられない』との声が出るのは当然でしょう」(同)
フジテレビは、「番組制作スタッフがテロップを発注した際、手書きの『天才』の文字が乱雑だったため、別のスタッフが『アホ』と読み間違えた」と説明しているが、「普通に考えれば、おかしいと思うはず」「この説明では納得できない」「ふざけている」など、疑問の声はやまない。また同じことが繰り返されることがないよう、業界の体質自体を変える必要もあるのかもしれない。