【アラサー一人暮らし、理想の賃貸物件を探す】ミニマリストに大人気の“極狭物件”、「風水的には問題外」!?
都心部から2駅と利便性は高いですが、駅から徒歩15分という距離が気になるところです。歩けない距離ではありませんが、決して近くはなく、途中で横断歩道や踏切などがあれば、20分以上かかる可能性もあります。夜遅く帰宅することが多い場合、その距離と時間は負担になるだけでなく、防犯面でも不安が残ります。
さらに気になるのが、近くに公園があることです。ファミリーであれば、公園が近くにあるのも住みやすさにつながると思いますが、一人暮らしの女性にとっては、誰もが自由に入ることができる上に、木々や遊具など不審者が身を潜めやすい場所があるという点で、あまりメリットになりません。また、深夜に人の声が聞こえるという状況を考えると、“たまり場”になっている可能性も。物件周辺が薄暗く、人けがないということから、立地的にはおすすめできない物件と言えるでしょう。
「管理人巡回」「防犯カメラあり」「オートロック」というのは防犯面でプラスの要因ですが、都心に近い、かつ極狭物件となると、長く住むよりも、利便性を求めて短期間住む人が多く、入居者の入れ替わりが頻繁にある可能性が高いです。住人かどうか判断がつきづらい人が建物内に多くいる可能性を考えると、玄関を開けずとも室外の様子が見られる「モニター付インターホン」は設置しておいてほしいところです。
部屋の間取りを見ると、狭いために玄関から居室までが一続きになっていて、入口を開けると、外からでも部屋の一番奥が見通せる状況が生まれます。ハンガーパイプがあるのも玄関の真正面なので、部屋干ししている洗濯物も丸見えに……。防犯上、玄関の手前にドアがあって、奥が見えない造りの部屋が安心ですが、ワンルームタイプだと、極狭物件でなくとも、同じような間取りが多いです。こういった部屋は玄関と部屋の間にカーテンや間仕切りを入れて、部屋の奥まで見通せないように対策すると防犯的によいでしょう。
■「防犯のプロ」河野真希(かわの・まき)
一人暮らしアドバイザー。自らの一人暮らし体験を元に取材や研究を重ね、2001年からWebを中心に各種メディアで暮らしに関する情報を発信。料理や家事、インテリアなど、気持ちのいい暮らしを作る、はじめるためのライフスタイル提案を行う。流行や思い込みにとらわれずに、無理なく持続可能で快適な、自分らしい暮らしづくりを応援している。また、2016年4月より『料理教室つづくらす食堂』を主宰している。