【アラサー一人暮らし、理想の賃貸物件を探す】「コンクリート壁・角部屋・コンビニ徒歩3分」“好条件”に落とし穴が!?
まず立地から見て、2路線利用できる駅ということは、比較的利用者が多く、人通りのある地域だと考えられます。夜遅くの帰宅となっても、徒歩10分以内かつ、物件近くまで大通りを通って帰宅できるのであれば、安心感もあります。さらに、「管理人巡回」「防犯カメラあり」「オートロック」「テレビモニター付きインターフォンあり」とセキュリティもしっかりとした物件で、この間取図と情報から見た範囲では、防犯面に大きな問題点は見つかりません。
ただし、気をつけておきたいのは“角部屋”ということ。角部屋は、部屋の前を通る住民や、騒音問題が少ないといったメリットもありますが、通路の突き当たりになることが多いため、周囲の目に触れにくいというデメリットがあります。玄関の鍵を開けたところを狙って、部屋に押し込んで住民に暴行を加えるといった事件も起こっていますから、玄関周りに死角や人が潜めるような場所があるときは要注意です。
また、5階建ての3階という物件なので、エレベーターを利用することが多いでしょう。わずかな時間でも、“密室”となるエレベーターの利用が、犯罪につながることもあります。エレベーターで先に待っている人がいたら、いったんエントランスでやり過ごすなど、見知らぬ人とは乗り合わせないように注意しましょう。あとから乗り込まれるなどして一緒になった場合は、ボタンがすぐに押せる位置に立ち、あえて自分の部屋とは違う階で降りるといった対策も覚えておいてください。非常用ボタンの位置と利用方法も確認しておくと安心です。
近所にコンビニがあるのは、生活する上でとても便利です。夜でも人けがあるため、防犯的にもメリットが多いですが、自分が利用する際には注意が必要です。近くにあるとつい部屋着のようなラフな格好で出かけてしまいがちですが、そこで1人分のお弁当といった買い物をしていると、それだけで「近所に住む女性の一人暮らし」だと目をつけられてしまう可能性もあります。また、コンビニで起こる侵入強盗の発生が多いのは深夜の時間帯です。利用する場合は遅い時間を避け、身だしなみを整えることをおすすめします。
■「防犯のプロ」河野真希(かわの・まき)
一人暮らしアドバイザー。自らの一人暮らし体験を元に取材や研究を重ね、2001年からWebを中心に各種メディアで暮らしに関する情報を発信。料理や家事、インテリアなど、気持ちのいい暮らしを作る、はじめるためのライフスタイル提案を行う。流行や思い込みにとらわれずに、無理なく持続可能で快適な、自分らしい暮らしづくりを応援している。また、2016年4月より『料理教室つづくらす食堂』を主宰している。