サイゾーウーマンコラム知られざる女子刑務所ライフ元女囚が獄中で会った印象深い芸能人 コラム 知られざる女子刑務所ライフ70 芸人をタダで見られるムショの慰問――元女囚が獄中で出会った印象深い芸能人 2019/07/28 16:00 中野瑠美 知られざる女子刑務所ライフ 「そのままでいいんやで」 私の慰問の思い出といえば、まずは八代亜紀さんですね。最高にきれいでした。それと香水をたくさんつけてきてくれて、講堂中がめっちゃいい香りになりました。なんかデパートの化粧品売り場に来たみたいで、みんなでひそかに興奮したものです。騒ぐと叱られますからね。 Paix2(ペペ)もよかったですね。元懲役は、だいたい出てきてからもカラオケでけっこう歌ってるんですよ(笑)。 あとは、和歌山刑務所のトクメン(篤志面接委員)をされている桂文福さんの面談も印象に残っています。トクメンとは、ボランティアで懲役たちの悩みを聞いてあげたり、講話をしたりする方です。お坊さんや元教師、元刑事さんなんかが多いようですが、才賀さんもされているそうです。こういう方との面談は希望者が多いので、競争率が高いです。私もダメ元で応募したのですが、なぜか当選して、お話しさせてもらいました。 文福さんの第一印象は、「でかっ」の一言(笑)。170センチ、103キロだそうで、顔もカラダもとにかく大きな方でした。獄中では男の人を見る機会がまずないので、余計にそう思ったのかもしれません。いろんな話をして、「キミはそのままで最高や。変わらなくていいんやで」と言われました。 「えっ? こんなシャブで懲役のダメダメな私でも?」 「そうそう。キミは明るいし、大丈夫や。そのままでいいんや」 やっぱり、そういうふうに言われるとうれしいですよね。聞けば文福さんは吃音(どもり)にも悩んでいたそうで、明るくて楽しそうな噺家さんにも、実はいろんなことがあるんやなーと思いました。 こうして獄中でさまざまな出会いや経験があって、シャバに戻ってくるわけですが、住むところや仕事など「居場所」がなければまた逆戻りです。私は今のところは大丈夫なんで、このままがんばりたいと思っています。そして、いつかは私もトクメンになって、懲役の話をバリバリ聞ける人になりたいと本気で思っています。 中野瑠美(なかの・るみ) 1972年大阪・堺市生まれ。特技は料理。趣味はジェットスキーとゴルフ。『ダウンタウンなう』(フジテレビ系)や『新・情報7daysニュースキャスター』(TBS系)などへの出演でも注目を集める。経営するラウンジ「祭(まつり)」 ※この連載が本になりました! 『女子刑務所ライフ!』(イースト・プレス)発売中です。 前のページ12 最終更新:2019/07/30 21:10 楽天 女子刑務所ライフ! やり直しを支える人たち 関連記事 田代まさしさん「NHK出演」の意味とは? 元女囚が考える、覚醒剤中毒者の社会復帰元女囚が考える岡崎聡子さんの逮捕――更生の早道はステキなパートナーを見つけること判決目前「ピエール瀧」の復帰は早い!?――元女囚が「更生は可能」と思う理由元女囚が考えるアイドルの逮捕――元KAT-TUN・田口さんは「ホンマのシロウトさん」元女囚が語る「経産省キャリア官僚」が覚醒剤にハマったワケ――エリートは“いいお客さん”? 次の記事 中学受験「突然かつ非情」な偏差値暴落 >