コラム
知られざる女子刑務所ライフ69
田代まさしさん「NHK出演」の意味とは? 元女囚が考える、覚醒剤中毒者の社会復帰
2019/07/14 16:00
覚醒剤の使用や密売などで逮捕起訴され、通算12年を塀の中で過ごした後、その経験を基にさまざまな活動を続ける中野瑠美さんが、女子刑務所の実態を語る「知られざる女子刑務所ライフ」シリーズ。
■ピエール淳之介さん(苦笑)
マーシーこと田代まさしさんがNHKのEテレで「ぶっちゃけ授業」をされたのが話題ですね。覚醒剤中毒だった自分について話すという番組でした。ふだんはテレビをあまり見ない私も、しっかり見ましたよ。
マーシーは最初から「ピエール淳之介です」とかすべり気味で、司会の方に「ろれつがあんまり回ってないけど、今もクスリをヤッてんですか?」と聞かれてました。でも、ここは真顔で「いや、クスリを使ってる時のほうがろれつが回るし、手の震えも止まるんです」とキッパリと返していて、私も「あー、それはホンマやね」と、独りテレビに向かってうなずいてしまいました。
マーシーはかなり正直に、獄中(なか)では売人と知り合って密売について語り合ったことや、ひたすら「クスリやりてぇ」と思っていたことなどをダジャレも交えながら話していました。要するに、「今のムショでは更生はムリ」ちゅうことですね。ここ大事です。ムショに入ってもポン中は治りません。
あれっと思ったのは、独房のはずのマーシーが売人と話せていることですが、そういえばマーシーは1回目は独房で、2回目は雑居やった……と聞いたことがありましたね。芸能人も、本人の希望とかで雑居に行けることもあるのです。前にも書きましたけど、獄死した松山ホステス殺害事件の福田和子も雑居でした。