ラブホテル街で避妊具を万引きした40代女性……連れの男とのド修羅場に、Gメン震撼!
こんにちは、保安員の澄江です。
今年の梅雨は、長いですね。ここのところ駅から遠い現場が続いているので、雨の中を歩いて出勤しなければならないことが多く、毎日の通勤が憂鬱でなりません。本音を言えば転ばないためにも、防水性の高い靴や長靴を履いて出勤したいところですが、余計な足音がたってしまって仕事にならないですし、歩く時には1日に2万歩以上も歩く仕事なので、あきらめています。この季節は、靴の中に浸み込む雨水の不快さを堪えて、よちよちと歩くほかないのです。
長年の経験から言えば、雨の日は晴れの日に比べると万引きする人が少なく、この時期の捕捉率は低くなります。雨天時は客足が悪くなるので、やる側の心理からすると、目立ってしまう気がするのでしょう。混み合う店内の人混みのなかで、どさくさに紛れて万引き行為に至る人の方が圧倒的に多いのです。それでも、まったくないというわけではないので、私たちが油断することはありません。今回は、大雨の日に捕らえた被疑者の中でも、特に印象深かった中年カップルの末路について、お話ししていきたいと思います。
当日の現場は、東京の繁華街にあるホテル街、その脇に位置する中規模総合スーパーD。土地柄なのか、外国人やホームレス、水商売風のお客さんが目立ち、どことなく落ち着けない雰囲気のお店です。前の契約が終了して以降、しばらくご無沙汰していたお店ですが、ここのところ夜間の被害が頻発しているようで、この日は午後2時から10時までの勤務となりました。繁華街における夜の勤務は客質が悪く、いつもより強い緊張を強いられるので、はっきり言って苦手です。
(こんな時間からホテルに入るなんて、どんな関係なのかしら……)
年齢様々な複数のカップルと行き交いながら、小雨降りしきるホテル街を抜けて現場に向かうと、小太りで妙に顔色の悪い店長が満面の笑みで出迎えてくれました。
「お、今日は忙しくなるかな。最近、ちょこちょこと怪しいのを見かけているので、よろしく頼みますね」
控えめな言い回しですが、言われている側の私からすれば、こうした一言が大きなプレッシャーになります。
(たくさんいるから、捕まえろ。あんた、そのために来たんだろう?)
万引き被害は賞与査定に影響するというので、このような本音が聞こえてくる気がしてしまうのです。