ジャニー喜多川氏死去――鮎川太陽、浅香航大に米花剛史ら元Jr.が示した追悼と感謝
多くのタレントやファン、関係者に愛されたジャニーズ事務所のジャニー喜多川社長が、7月9日に天国へと旅立った。ジャニー社長は6月18日に体調の異変を訴え、緊急搬送された後に入院。連日、タレントたちがお見舞いに駆けつける間も必死に病と闘っていたが、7月9日午後4時47分に人生の幕を下ろしたという。死因は「解離性脳動脈瘤破裂によるくも膜下出血」で、享年87歳。世間に衝撃が走る中、かつて同事務所に所属したタレントたちも、SNSなどで哀悼の意を表している。
数々のスターを輩出し、“稀代の天才プロデューサー”と言われたジャニー社長。タレントを「YOU」と呼ぶ癖はファンでなくとも広く知られており、ジャニー社長の逸話や、天然な一面といったお茶目な伝説は数知れず。周囲の人に愛される存在だっただけに、訃報が伝えられた後は元フォーリーブス・おりも政夫、元シブがき隊メンバー、野村義男、元KAT-TUN・田中聖ら、多数の“元ジャニ”たちがSNSや所属事務所を通じてコメントを発表した。
元男闘呼組・前田耕陽は、10日に更新した自身のブログで、ジャニー社長について「僕の人生の方向性を決めてくれた恩人であり、師であり父親のような存在」と前置きしながら、「ジャニーズ事務所を退所してからお会いした時にも、それまでと全く変わらず接してくれました…その時にジャニーさんがかけてくれた言葉を今でも大切にしています」と、懐の深さに感謝。2012年に退所した元ジャニーズJr.内ユニット・Musical Academyの米花剛史はインスタグラムにジャニー社長の写真をアップし、「この人と出会わなければ今の自分はいない。初めてオーディションでジャニーさんに会った時の事は今でもはっきり覚えてる。『YOU踊り上手いからこの子を見て覚えな。』そう言って指指したのが大野くんだった」と、嵐・大野智と対面した際のエピソードを回顧した。
また、米花は最後にジャニー社長と会ったのは退所の報告をした7年前だったと振り返り、「ジャニーさんは『自分が後悔しない人生を送りなさい。』と言ってくれた。僕は17年しかお世話にならなかったけど、出会えた事が自分にとっての転機だったんだと思う」「あんなに才能に溢れていて努力家の人は他にいない」と、故人を悼んだ。
一方で、トランペット演奏を得意とした“トランピー”こと元Jr.の石田直也もインスタグラムのストーリー機能を使って長文の思い出話を公開。石田は18年3月末をもって事務所を去ったが、ジャニー社長は辞めた後も彼に電話をかけ、「You最近見てないけどなにしてるの?」と、尋ねてきたという。石田が「もうジャニーズJr.は辞めたよ」と告げると、ジャニー社長は「それはそうだけども」と、返答したとか。以降も公演への誘いを受けたといい、「年が明けて元日に電話をしたら『今帝劇やってるからおいでよ』と。1/2に早速行くとジャニーさんと久々に会えて嬉しかった。相変わらず元気で本当にほっとした。いつも通りお話ししてくれて、元気がでました」と、年始に帝国劇場で再開を果たしたことを明かした。
「石田は『お腹いっぱいになるまで美味しいご飯を食べさせてくれた』とつづったほか、ある時は顔色を見て体調を気遣い、自ら医師に電話をかけて薬を用意してくれた話などを回想。海外に行くと伝えたところ、本を持たせてくれたり、『美味しいご飯食べて、お土産いっぱい買わないと』と、お小遣いをもらったこともあったといいます。『事務所を辞めてからも会議でトランピーみたいに海外にどんどんいかないとって言ってくれてたみたい』とも書いており、ジャニー社長は石田のトランペット技術や、若くして積極的に海外に目を向ける姿勢を気に入っていたのでしょう。また、石田だけでなく、元Jr.の田中斗希がTwitterで『ジャニーさんには何度もわがまま言って事務所に戻してもらった』と触れているように、ジャニー社長は自分のもとを離れた子たちにも愛情を注いでいたんです」(ジャニーズに詳しい記者)
関西Jr.出身の室龍太は現在もジャニーズ内で個人の俳優として活躍の場を広げているが、かつて“室3兄弟”としてジャニーズに所属した室龍規と室将也はすでに退所している。それぞれTwitterにジャニー社長への思いをツイートし、「辞めてからも弟に兄貴元気?と気遣ってくれてたの嬉しかったです」(龍規)「2年前ぐらいに喋ったのが最後かな? 昔と変わらず接してくれて本当に嬉しかったです」(将也)と、ジャニー社長の優しい対応に言及した。
「退所後、あまり“元ジャニーズ・元アイドル”と打ち出さずに芸能活動を続けているタレントたちも、SNSでコメントしています。現在のHey!Say!JUMP・薮宏太&八乙女光が所属したYa-Ya-yahの元メンバーで、今は舞台を中心に活動する鮎川太陽は10日朝にTwitterを更新。『過去のことはずっと口に出さないようにしていた。それが俺の生きる道だし、生きる術だったから』と決意を込めた投稿であると示しつつ、『小5から今まで一時だって忘れたことはない。胸が痛い』『今の俺があるのは確実にジャニーさんのおかげです。育ててくれて、ありがとうございました』と、追悼のメッセージを記しました。Jr.の頃はHey!Say!JUMP・有岡大貴、伊野尾慧、中島裕翔らとJ.J.Expressの一員だった俳優・浅香航大も、10日朝のTwitterにて『ありがとうございました』と、一言だけお礼の言葉を述べています。名前こそ出していませんが、タイミングからしてもジャニー社長への謝意とみて間違いないでしょう」(同)
大勢の“我が子”を慈しみ、長年に渡って寄り添ってきたジャニー社長。天国でも、彼らの今後を温かい眼差しで見守っていることだろう。