「『東京ガールズコレクション』に政治家が出るかも」――文化服装学院生が抱く、“政治と表現”への不安
――みなさんが「ViVi」の編集者だったとして、今回ような広告の依頼が来たらどうしますか。
学生Dさん 私はファッションに関わる人間として、プライドを持って「受けない」という選択をしたいけど……。やるとしたら、広告を掲載した次号で自民党以外の政党について取り上げるとか、一つの政党に偏らないようにします。
学生Bさん 依頼を受けざるを得ない状況だったら、すでに「自民党2019」キャンペーンに参加している人たちをモデルに使えば、「ViVi」としてのダメージは少なそう。芸能人でも自民党を支持してる人はいるし、そういう人を使えば、雑誌が自民党に加担したとはイメージされないのかな。
学生Dさん でも、「ViVi」読者に政治への関心を持ってもらうことが目的だとしたら、「ViVi」のモデルを使わなきゃ意味ないよね。となるとやっぱり、“三方よし”にすることは無理なんだと思う(笑)。そもそも私は、この広告、100%失敗だったと思います。
学生Aさん 話題になったからいいんじゃない?
学生Dさん でも本来の目的は、「ViVi」読者のような若い世代の女性に政治に関心を持ってもらうことだよ? これだけ炎上したら、いい印象ないんじゃない?
学生Cさん 炎上したことで目に留まって、自民党に疑問を持ったり肯定したりしたなら、それは政治参加なんじゃないかな。“宣伝”としてはどうなのかと思うけど、「興味を持ってもらう」という点では、失敗だったと言い切れないような気もする。
――今回、選挙の時にこの広告が頭をよぎったりすると思いますか。
学生Bさん 多分、忘れてると思います(笑)。ネットでは炎上してたけど、自民党が伝えたいメッセージとかは、何も印象に残らなかったし。
学生Eさん でも、「ViVi」を読む世代である高校生から大学に入りたての子たちにとっては、“自民党”って言葉はすごく印象に残ったと思います。親と一緒に投票に行ったときに、「あ、『ViVi』で見たな」って思い出すのは自民党だと思う。政策の中身ではなくて、名前を覚えさせるための広告だったら、ある意味成功してしまってるんじゃないかな。
五野井氏 “AKB選抜総選挙”とか、「ViVi」が主催している“タピオカドリンク総選挙”とか、それくらいしか”選挙”なるものに触れていない子たちにとっては、“自民党”というだけでもインパクトがあったかもしれない。