カラテカ・入江慎也、「闇営業で吉本解雇」に考える「人脈」なるものの脆弱さ
羨望、嫉妬、嫌悪、共感、慈愛――私たちの心のどこかを刺激する人気芸能人たち。ライター・仁科友里が、そんな有名人の発言にくすぐられる“女心の深層”を暴きます
<今回の有名人>
「人脈は金で買えないしね」関ジャニ∞・村上信五
『月曜から夜ふかし』(日本テレビ系、6月24日)
6月24日放送『月曜から夜ふかし』(日本テレビ系)で、「若い時の自分に伝えたいことランキング」を紹介していた。第1位は「外国語を学べ」、第2位は「海外旅行に行け」、第3位は「人脈を広げておけ」といった結果だった。
同番組司会の関ジャニ∞・村上信五は「人脈を広げておけ」に同調したのだろう、「人脈は金で買えないしね」と発言していた。
人脈とは、金で買えない貴重なものであって、ゆえに若いときから、人脈を広げるように心がけておかねばならない。推測だが、村上発言を補強すると、このような意味になるだろう。
そういえば、かなり昔の話になるが、村上が所属するジャニーズ事務所の先輩・少年隊が一世を風靡していた頃、『夜のヒットスタジオ』(フジテレビ系)に出演したことがある。その際、演歌の女王・小林幸子が彼らを「ジャニーズ事務所の子は礼儀正しくて、如才ない」と感心していた。ジャンルを問わず、大御所の懐に飛び込み、かわいがってもらうのは“人脈”を広げるのに有効な手段なのかもしれない。
一般人でも、「〇〇さんを知っている」「××さんと飲んだ」といった具合に、有力者の名前を口にする人がいるが、これも人脈というのが得難いものであると認識されているから、自慢になるのだろう。異業種交流会というものが昔からあるのも、「人脈によって成功の突破口が開ける」と思っている人が多いことを物語っているように感じる。しかし、人脈があればオールOKかというと、ちょっと違うのではないだろうか。
5月20日放送の『女が女に怒る夜』(日本テレビ系)では、社長や著名人などと親しくなることで、利益を得ようとする“人脈女”3人が登場した。ジョニー・デップなどの海外セレブと親しいモデル、不動産業など会社社長と交遊がある女優、お笑い芸人と親しいグラドルが出演したが、失礼ながら、彼女たちはいずれもドラマや雑誌の常連ではなく、知名度としては発展途上だろう。彼女たちが人脈(主に男性)から得たものは、食事をごちそうになることや、渡航費や滞在地での生活費、お小遣いまでもらえる海外旅行だと話していた。テレビで話しても差し障りがないネタに絞ったのかもしれないが、「幅広い人脈」が生み出すものとしては、ちょっとスケールが小さくないだろうか。人脈によって得られる利益ではなく、「食事や旅行程度はプレゼントしてもらえるけれど、仕事の直接的なメリットにつながるわけではない」というビジネスの厳しさが、かえって浮き彫りにされたように私には感じられた。
このように人脈があったところで、仕事でプラスになるとは限らないというのが私の個人的な考えだが、才能に恵まれた人は、人脈をビジネス化できるようだ。「友達5000人」を豪語していたお笑い芸人・カラテカ入江慎也は、株式会社入江コネクションを設立。昨年8月に『さんまのお笑い向上委員会』(フジテレビ系)に出演した際、副業の月収が350万円であり、お笑いでの収入をはるかに上回っていることを明かしていた。