コラム
【連載】ホス狂いのオンナたち
ホストで「一晩1000万円」使った女――担当も驚いた「紙袋に詰まった万札」の出所とは?
2019/05/31 19:30
ホストにハマりすぎている女たち――通称“ホス狂い”。「ホストに多額のカネを貢ぐ女」というイメージだけが横行する中、外の世界からはわからない彼女たちの悲喜劇がある。「ホストにハマらなかったら、今頃家が建っていた」という、新宿・歌舞伎町では名の知れたアラサー元風俗嬢ライター・せりなが、ホス狂いの姿を活写する。
以前、月200万円をホストに使う女の話を書き、その金銭感覚に驚いた人もいるかもしれないが、新宿・歌舞伎町は、一晩で1000万円を使う女も存在する街である。今回は、そんなホス狂いの話をしてみたい。
ユイさん(仮名)は、歌舞伎町のメンズ・バーで仲良くなった女性だ。年齢は40歳前後で、夫と夜一緒にいたくないから遊んでいるのだそうだ。そしてユイさんは、自分はとある有名ホストのエースなのだ、と私に教えてくれた。
次にユイさんとバーで飲んだとき、彼女は高いお酒をバンバン注文し、最終的に「高いシャンパンをおろすから貸し切りにして」と言って、実際その通りにしてしまった。その頃の私は、“ホス狂い中級”くらいだったので、正直なところかなりビビった。ホスト漫画に出てくるような人だ。とんでもないお金持ちなのだろうか。そう思った。
私の驚きを察して、ユイさんは金策の秘密を開示してくれた。
「もうすぐ親族の土地を売ったお金が数千万入ってくる」
彼女は自慢げにそう言って、担当ホストにも伝えてある、と豪語していた。
歌舞伎町には、あるのかないのかよくわからない大金の話をする人が掃いて捨てるほどいる。お酒の場でのよくある話、と私も話半分で聞いていた。その後、ユイさんと再会することはなかった。