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Hey!Say!JUMP、アリーナツアー中止は得策? 心理学博士がジャニーズの決断を「ファン心理」から考察
2019/05/25 16:00
また、ファンが暴徒化する背景には、「集団」という要素が深く関係しているようだ。
「ファンの間でさまざまな情報が共有されることによって、個が集団となり、一つの大きな“個”と化すと、そこに一体感が生まれ、マナー違反の意識が欠如するというのもあります。もう少し噛み砕いて言うと、自分一人で抜け駆けするのではなく、大勢で追いかけることにより、その行為に違和感を覚えなくなって、暴徒化してしまう。自分が周囲にどういった危害を加え、どれほどの迷惑をかけているか、素直に見ることができなくなるんですね」
こうした過激なファンには、きっかけさえあれば、誰しもがなり得る可能性があると、鈴木氏。アイドルは、コンサートなどで「1対多数」に向けて、目線を送ったり、手を振るのが基本だが、「ファンはよく『私を見てくれた』『私に手を振ってくれた』と言いますよね。そういった“たまたま”が連なったことがきっかけとなり、自分とアイドルを『1対1』の関係だとする“錯覚”が根付くことはあるでしょう。アイドル側も、ファンサービスとして『あなたを見ているよ』『あなたに手を振っているよ』と錯覚させることを狙っている部分はあると思いますが」と指摘する。
応援グッズのうちわに「アイドルにしてほしいファンサービス」を書く文化は、ジャニーズファンの間で広く浸透しており、コンサートの楽しみの一つになっているが、「私にだけ特別にしてくれた」と思い込みすぎることは、過激なファンを生むきっかけになりそうだ。