コラム
【連載】モンペと呼ばないで! ~怒れるママたちの叫び~

「母の日・父の日廃止は神経質」の声も……親も保育士も困惑、保育園“家族イベント”の在り方

2019/05/23 18:30
池守りぜね

 都内にある小規模保育所で働いている保育士の愛子さん(仮名)は、園側の家族イベントの扱い方に戸惑ったという。

「うちは繁華街にある、夜間保育も行う保育所なのですが、“ワケあり”の保護者が多いんです。園自体にシンママが何人かいるため、家族イベントは基本的に行わない方針になりました」

 家族イベントは、園側が保護者に個別対応しなければいけないケースも多く、愛子さんは「面倒」と語る。

「例えば、敬老の日に、子どもが描いたイラストのハガキを、それぞれの祖父母宅に送ろうという話になったのですが、保護者の方に確認を取ると、ハガキを送ること自体よく思わない人も多くて、取りやめました。運動会の父親参加競技も、親子競技と名前を変えたものの、運動会自体に来られない保護者もいるので、保育士が代わって競技に参加しなければならず、大変なんですよ」

 一方、4歳になる女児を幼稚園に預けているシンママの千秋さん(仮名)は、「家族イベントを行わないことで、逆に私たち母子が目立ってしまう」と語る。

 千秋さんは、出産してすぐ、夫のDVなどが原因で離婚し、関東近県にある実家に戻った。子どもが小さいうちは、育児に専念したいと思い、就職をしないことを選んだという。

「もともと自分が通っていた幼稚園に入園させました。園長も私のことを覚えてくれていて、シンママだと言うと、心配されました。そして園長が『これも時代の流れだから』といって、父の日イベントだけでなく、紙でのカーネーション製作や、ママの似顔絵などの母の日イベントまで取りやめたんです。周りからは明らかに私のせいだとわかってしまったので、逆に配慮されるのがつらく感じました……」

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