上原多香子、母の日ツイート大炎上で露呈した「忘却力の高さ」と「夫・コウカズヤ氏の弱さ」
羨望、嫉妬、嫌悪、共感、慈愛――私たちの心のどこかを刺激する人気芸能人たち。ライター・仁科友里が、そんな有名人の発言にくすぐられる“女心の深層”を暴きます
<今回の有名人>
「どんどん叩いてくれて結構です」コウカズヤ
(コウカズヤTwitter、5月14日)
人間はそう簡単に変われないし、悪癖ほど繰り返すのではないだろうか。
例えば、2017年に一般人男性との不倫を「週刊文春」(文藝春秋)に撮られた女優・斉藤由貴。彼女は既婚者となって急によろめいたわけでなく、独身時代に尾崎豊さん、川崎麻世、渡辺謙とも不倫していた“実績”がある。
タレント・山本モナは、独身時代、既婚男性である衆議院議員・細野豪志氏との旅行&路チューを「フライデー」(講談社)と「フラッシュ」(光文社)にスクープされ、『筑紫哲也のNEWS23』(TBS系)を降板するはめになる。『サキヨミLIVE』(フジテレビ系)で復帰を果たしたが、今度は既婚のプロ野球選手(当時)・二岡智宏とラブホテルに入る姿を「女性セブン」(小学館)に撮られ、再度降板に追い込まれた。
悪癖を繰り返す人を、「自制心が効かない」と見る人は多いだろう。が、私に言わせると、こういう人は「辛抱できない」のではなく、尋常ではなく忘却力が高い(故にバッシングされた痛みも忘れてしまう)か、「自分はバレないと思っている」という変な自信のようなものがあるのではないか。
モナは二度の不倫騒動の後に結婚し、一時は芸能界を引退したが、個人事務所を立ち上げ、芸能界に復帰している。現在は、第3子を妊娠中だが、子どもを持つ母親となり、家庭円満の大事さを知った今なら、自分がしてきた不倫という行為が、不倫相手の妻たちをどれほど傷つけたかわかるはず。にもかかわらず、モナは知人のブログで妊婦アピールをしており、この行為が、不倫相手の妻たちに「なぜ人の家庭をめちゃくちゃにするようなことをしておいて、幸せそうにしているんだ」と受け取られかねないことに気づいていない。モナの中で二度の不倫は、もう「なかったこと」になっているのではないだろうか。
それでは、上原多香子はどうだろう。
前夫・TENNさんが自殺し、“悲劇の妻”だった上原だが、三回忌が過ぎた頃、TENNさんのご遺族が「女性セブン」で遺書を公開。そこにはTENNさんが子どもを望めない体質であったこと、また上原がある俳優と不倫していたことが記されていた。また同誌では、上原が俳優と「2人の子供作ろうね」などとやりとりしており、TENNさんがそのことを知っていたとも伝えられたのだ。
悲劇の妻から、「夫を死に追いやった妻」へ――。大バッシングを受けた上原は、芸能活動休止に追い込まれる。不倫相手とは切れたようで、演出家のコウカズヤ氏と結婚、念願の出産を果たした。
このまま静かに暮らしていればいいものの、上原は母の日に、鍵のかかったTwitterアカウントで、「母の日。母と呼ばれた日。感謝」とツイートしている。どこからか、このツイートが漏れて、再び炎上した。
このツイートを見て、やはり上原は「忘れちゃった」と言わざるを得ない。母となった喜びを素直にツイートしたのだろうし、それが悪いと言うつもりはないが、母親だからこそ、息子に先立たれたTENNさんの母に対して、何か思うところはないのか。上原はTENNさんと前回の結婚にまつわる一切を忘却の彼方におしやってしまったのではないだろうか。また、Twitterには、「いいね!」の数を稼ぐ性質があることから考えると、あえて人を不愉快にさせる内容を投稿する人は稀だろう。となると、上原は自分という存在や、自分のツイートに不快感を示す人がいる可能性にも気づいていないようだ。
上原はTENNさんに自殺を強要したわけでも、ほう助したわけでもないので、法的な責任は問われないだろう。しかし、そこに至る要因の一つを作ったという意味で、道義的には、行動にある程度制限がかかるのは仕方がないことではないか。しかし、それは上原のような忘却力が高すぎる人には、最も理解しがたいことのように思うのだ。