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ゆたぼん父・中村幸也氏、心屋仁之助氏……臨床心理士が語る「疑惑の心理カウンセラー」への違和感

2019/05/18 19:00
サイゾーウーマン編集部(@cyzowoman

 日本には現在、心理に関する資格は枚挙に暇がなく、さまざまな認定講座や試験が実施されている。杉山氏いわく、最もよく知られる資格は「臨床心理士」で、民間資格だが、もともと文部科学省が認可(現在は内閣府が認可)している公益法人が認定しているため「半民半官の資格と言える」そうだ。また2017年、新たに定められた国家資格「公認心理師」も、最近世間で認知されるようになり、双方とも、基本的には大学や大学院の科目履修/修了が受験条件となる「難易度の高い資格」「信頼度の高い資格」と言えるとのこと。一見、心理カウンセラーは、臨床心理士や公認心理師が就く仕事のように思えるが、実際は、「名乗ったもの勝ち」になっているという。

「心理カウンセラーという資格があるわけではなく、心理カウンセラーを名乗ることを規制する法律もないため、誰もが名乗りたい放題になっています。一概に『臨床心理士や公認心理師以外は信頼度が低い』とは言えないですが、厚生労働省や文部科学省のチェックがないまま、各団体が独自に実施している講座や資格試験は、クオリティーコントロールが難しい面はあると思います」

 臨床心理士も公認心理師も、「サイエンティスト-プラクティショナーモデル」に基づいて作られた資格だという。これは「『心理学という科学を修めた人間が、カウンセリングを行う』という意味。そのため、この資格を得るには、大学/大学院レベルでの心理学教育を受け、理論や研究の知見などを理解し、心の動きや仕組みを科学的に考えることができることが前提になる」そうだ。

 中村氏が心理について学んだという日本メンタルヘルス協会の代表・衛藤信之氏は、同協会の公式サイトによると「日本で従来おこなわれていた、理論中心の心理学に変わり、実戦的な日常で使えるコミュニケーションプログラムを開発」(原文ママ)したと紹介されているが、「”理論中心の心理学に変わり”という言葉には、『どこまで科学的に心を捉えられるのか』『心に対する合理的な考察をどのように深めているのだろうか』という疑問は抱いてしまいます」。

 中村氏や心屋氏のように、臨床心理士や公認心理師ではないにもかかわらず、「心理カウンセラー」を名乗る人を、同資格取得者たちはどう見ているのだろうか。

「昔からそういった人は多くいるので、我々臨床心理士たちは、『気にしていない』『同業者とは思わない』といった感じではあるものの、心理カウンセラーという言葉で、一緒くたにされるのを嫌がる人もいるようです。やはり臨床心理士、また公認心理師もそうですが、ちゃんと時間をかけて厳しいトレーニングと勉強をしなければ取得できないハードルの高い資格ですから、同じだとみなされることに不満を抱くのでしょう」

 ただし、カウンセリングを提供する自治体や事業所などが、心理カウンセラーを採用する際、概ね「臨床心理士、公認心理師」を条件にしているため、「こうした資格のない心理カウンセラーが、私たちの仕事を圧迫していることはない」という。臨床心理士、公認心理師ではない心理カウンセラーの増殖を問題視するより、「臨床心理士、公認心理師の社会的な信頼を高めることに集中しようというのが、今の業界の空気」だそうだ。

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