テレビが取り上げない「毎日ホストに通う女」の実態……シャンパンコールの裏にある光景
こうやって講釈をタレているが、いまだに私もそんな「教室」の一員である。最近はゲームではなく原稿を書いている。遅れてきた青春の沼から、かれこれ5年以上、抜け出していない。いや、それはフェアな表現ではないだろう。私は、遅れてきた青春のなかに、肩からどっぷりと浸かっている。そろそろのぼせてもよさそうなものだが、いかんせんぬるま湯であるので、いまだにそんな予感すらない。
歌舞伎町の雑居ビル。財布の諭吉を数えてから、扉を開ける。部活動にしては、やや高くつく。今日も今日とて見知った顔が並び、「おはよう」と声をかける。時間が何時でも、だ。ホストクラブは夢を買う場所だと思っていた、と冒頭の方に書いたが、お金を払う限りは永遠に終わらない平和な放課後も、夢を買っていると言って差し支えないのかもしれない。
さて、ここで冒頭に話は戻ってくる。果たして、ホストクラブの端っこでゲームをしている客は、キラキラのシャンパンコールを浴びる客にとっての「陰」だろうか。お金で買う放課後は、ホストクラブの「闇」だろうか。私は判断しない。そもそも、陰は、突然生まれ落ちるものではないと思う。時間や状況によって、陰は向きを大きく変える。それは結局、太陽の位置次第だ。
せりな
新宿・歌舞伎町の元風俗嬢ライター。『マツコが日本の風俗を紐解く』(日本テレビ系)で、 現役時代のプレイ動画を「徹底した商業主義に支配された風俗嬢」 と勝手に流されたが、 ホストに貢いでいたのであながち間違いではない。その他、デリヘル経営に携わるなど、業界では知られた存在。 現在も夜な夜な歌舞伎町の飲み屋に出没している。
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第5回:ホストに月200万円使う女は、どんな接客を受けるのか? 究極の接客「本営」の実態
第6回:ホストにハマる女は「まじめ」になる。引きこもり風俗嬢が出会った「ホスト・コミュニティ」