「援助交際と一緒にするな」「どれだけ金を引っ張れるか」愛人とは違うパパ活女子の意識とは?
――90年代には「援助交際」ブームがあったと思います。「援助交際」と「パパ活」の相違性を感じますか?
中山 パパ活は、相手との関係に継続性があるという面では愛人に近いものを感じますが、ブームの始まり方は、援助交際とすごく似ている印象を持ちました。援助交際もパパ活も、生活のためにやっているのではなく、「大人の世界を覗いてみたい」という遊びの延長のような感じなので、女の子が強気なんですよ。私は援助交際第一世代だから、シンパシーを感じましたね。
――パパ活女子のSNSなどでは、自身を「PJ」と称して、「援助交際と一緒にしないで」「相場を下げるようなことをしないで」といったような、パパ活女子としてのプライドを感じさせる投稿も目立ちます。
中山 私もある座談会で、パパ活女子の自意識を感じたことがあります。ただ、パパからもらえる金額やブランド、相手のタイプなど、表面的なことにこだわりすぎていて、つまらないって感じたんですよね(笑)。それよりも、いろいろ経験していく方が楽しいのになって。買う方の男性にしても、日常生活では出会えないような面白い女の子を求めているので、「私、いくらだから」とお高くとまっていたり、マウンティングし合うような普通の子は、チャンスを逃しちゃっているような気もしますね。
――確かに、パパ活女子は、SNS上で「今日は食事で0.5回収(5,000円もらった)」など状況を逐一投稿してマウンティングしあっています。
中山 援助交際でも、「何を買ってもらった」とか「あの子は旅行に行ったらしいよ」とか、女の子同士のマウンティングはあったんですよ。ただ、当時は比較対象が自分の周囲だけだったのに対して、今はSNSが発達して見ず知らずのパパ活女子の様子もわかってしまうので、マウンティングが激化している様子は感じます。あと、視覚からの情報は大きいので、写真もアップできる分、ほかのパパ活女子がブランド物のバッグを持っていたりすると、「あの子は買ってもらえて、どうして私は買ってもらえないんだろう」って、余計に固執してしまう部分もあるのかもしれませんね。
中山美里(なかやま・みさと)
1977年、東京都生まれ。フリーライター。編集プロダクション株式会社オフィスキング取締役。『16歳だった~私の援助交際記』(幻冬舎文庫)『漂流遊女~路地裏の風俗に生きた11人の女たち~』(ミリオン出版)『高齢者風俗嬢~女はいくつまで性を売れるか』(洋泉社)などがある。