「日焼け止め塗ってほしい」「花粉症なので外遊びやめて」保育園を悩ますママからの要望
保育園、幼稚園、小学校、おけいこ事の教室などでは、日々子どもの保護者と施設側の間でトラブルが発生している。ほんの些細なことでも、自分のこと以上に気になってしまうのが親心というものなのか。わが子のことを思ってとクレームを入れるママもいれば、モンペと呼ばれることを恐れて我慢するママも。そんなトラブル事例とママの葛藤をつづる。
大型連休を前に、日差しが強くなっていくこの季節。かつて、子どもたちにとって、強い日差しの中で遊ぶのは日常的であったが、現代では外遊びと呼ばれる課外活動に関して、保護者側からの苦情が絶えないという。今回は、外遊びを行う際に、幼稚園や保育園側と保護者側の間で生じたトラブルエピソードを紹介する。
紫外線の悪影響などが叫ばれるようになった影響なのか、外遊びの際には、日焼け止めを施すのが当たり前と考える保護者が増えた。認証保育園に3歳になる女児を通わせている康子さん(仮名)は、園に日焼け止めを塗るように個別対応を申し出たが断られたという。
「うちの娘は、腕と足にある『いちご状血管腫』という痣をレーザーで除去する治療を受けています。そのため、火傷になってしまう危険性もある日焼けは厳禁なんです。自宅で日焼け止めを塗っても、汗などで落ちてしまうので、『外遊びの際には塗り直してください』とお願いしたのですが、園側の対応は『保育士の人数が限られているので、個別対応は難しい』の一言でした。うちの子にとって日焼け止めは、ぜんそくなどの子が薬を飲むのと同じなのに、融通が利かず困りましたね。結局、対応策としてラッシュガードを着せることで落ち着きましたが、日差しの強い日に、長袖を着せなければならないので、夏の外遊びは、かわいそうになりますよ」
関東圏にある小規模保育所に今年の春から0歳児を入園させた愛美さん(仮名)は、「子どもの日よけが心配だ」と語る。
「うちの園は、小規模なので、0歳児から3歳児までが合同で外遊びに出かけています。まだ体力がない0歳児と、体が大きくなって走り回りたい3歳児では、活動できる時間が違うと思うんです。それなのに、同じように公園に連れて行かれるので、熱中症などが心配。日差し対策も、日よけ帽子だけで、一度先生に『日差しが強いときは、外遊びは必要ないんじゃないですか?』と聞いたら、『0歳児はなるべく日陰で過ごすようにしています』と言われました。これからどんどん日差しが強まっていきますし、0歳児は肌が弱いので、日焼けも心配になってきています」
0歳児から預けられる保育園では、個別対応のニーズが高まってきているのかもしれない。しかし、現状は園によって対応はまちまちで、細かな配慮までは行き届いていないようにみえた。