『ラジエーションハウス』初回12.7%も「よくある感動ドラマ」「リアリティなし」厳しい評価
4月15日夜9時から第2話が放送される、窪田正孝主演ドラマ『ラジエーションハウス~放射線科の診断レポート~』(フジテレビ系)。第1話の視聴率は、12.7%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と好調なスタートを切った。
同ドラマの舞台となるのは、レントゲンやCT、MRI、心電図などを扱う放射線科。窪田演じる診療放射線技師・五十嵐唯織は、アメリカで権威ある放射線外科が認めるほどの天才的な才能を持っている。唯織は、写真には必ず“真実”が写し出されると信じており、患者の病の根源を探るべく、“病の写真家”として、さまざまなものを写し出していく。
第1話で唯織は、幼なじみで長年思いを寄せている甘春杏(本田翼)が、放射線科医として勤務する甘春総合病院で働くことになる。22年前、杏は「将来の夢は父親の跡を継ぎ医者になること。病気を見つけるためにはカメラマンが必要だから、世界一のカメラマンになって手伝ってほしい」と話していたが、家庭の事情で苗字が変った唯織のことを覚えていない。
最初にやってきた患者は、有名な写真家の菊島亨(イッセー尾形)だった。頭痛を訴える菊島はMRI検査を受けるが、海外渡航先で入れた粗悪な銀歯と金属製の脳動脈瘤クリップが邪魔をして正確に撮影できない。血管を調べる血管造影検査をしようにも、菊島自身が造影剤アレルギーのため副作用のリスクが高い。
菊島は毎年のようにボリビアのウユニ塩湖を訪れ、現地の人たちと同じ生活を送りながら星空の写真を撮り続けている。8年前に妻が倒れた時も現地で写真を撮っており、帰国したのは妻が亡くなり葬儀も終えた後だった。そのことが原因で、娘の由美(森矢カンナ)からはひどく恨まれているという菊島。唯織が菊島の病室を訪ねると、手元には出版予定だった写真集の写真が。妻の命日に出版するつもりだったというが、菊島は「もう二度と完成することはない」と諦めていた。一方、放射線科長兼診療部長の鏑木安富(浅野和之)は、菊島が手遅れになった際に、マスコミの餌食になることを恐れ、転院させようと画策していた。
そうこうしている間に、菊島の容体が急変し昏睡状態に陥ってしまう。その頃、唯織はほかの技師たちの協力のもと、鏑木に内緒で菊島の再検査を実行する。普段は使われない部分の画像を組み合わせ、頭痛の原因が寄生虫だと突き止める。投薬治療で無事に回復した菊島は、無事に退院し、写真集を出版。そこには、ウエディングドレスを着た由美の写真が追加されていた。周囲は唯織の技術を称賛するが、杏だけは医師のメンツを潰された気持ちを隠しきれず、この時から二人のぶつかり合いが生じる。
「放射線技師という、これまで取り上げられなかった題材ですが、視聴者からは『よくある感動ドラマ』『目新しさがないストーリーだった』『専門用語の解説が適当で、ついていけない』といった声が。ほかの医師との立場の違いが明確に描かれておらず、これまでの医療ドラマと変わらない展開になったことが原因のようです」(芸能ライター)
第2話では、唯織が携帯電話を手放さない女性・富恵(宮田早苗)のMRI検査を担当することに。閉所恐怖症だという富恵は愛犬と一緒じゃなければ入れないと騒ぎたてるが、技師の一人である威能圭(丸山智己)の機転で検査は無事に終了。しかし表につないでおいた富恵の愛犬が逃げ出し、捕獲して戻った唯織は犬を連れ去ったと疑われてしまう。
「視聴者の中には医療関係者も多く、『技師は患者と話す機会がない』『医師役の演技がヘタで、違和感がある』『放射線科としてのリアリティがまったくない』とツッコミの声が。放射線技師の特色をどのように出していくかで、今後の評価が左右されるでしょう」(同)
今後は、医療ドラマの裏で、唯織の健気な片思いも進展していく様子。次週は彼の恋愛模様にも注目だ。